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「北朝鮮は非核化の約束守るべき」-「相互措置が必要」…米ロ、安保理控え意見の相違

登録:2019-12-12 03:26 修正:2019-12-12 08:03
米国のマイク・ポンペオ国務長官(右)とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が10日(現地時間)、ワシントンの国務省庁舎で会談した後、共同記者会見を行っている=ワシントン/EPA・聯合ニュース

 朝米間の緊張が高まる中、米国とロシアが10日(現地時間)、北朝鮮に対する対応で意見の隔たりを見せた。北朝鮮のさらなる緊張高潮行為の可能性を論議するために、米国主導で用意された国連安全保障理事会(安保理)会議を翌日に控えた時点だ。

 ドナルド・トランプ米大統領は同日、ホワイトハウスでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談し、イランの核兵器開発防止と北朝鮮の非核化保障に向けた米国の努力を支持するよう要請したと、ホワイトハウスが発表した。

 これに先立ち、マイク・ポンペオ米国務長官とラブロフ外相は、会談後の記者会見で、北朝鮮の非核化と朝米対話の必要性に共感しながらも、アプローチにおいては異なる意見を示した。ポンペオ長官は「北朝鮮の約束順守と対北朝鮮制裁履行」に重点を置いた一方、ラブロフ外相は「朝米の相互措置」を強調した。

 ポンペオ長官は、「金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長は直接非核化を約束しており、長距離ミサイル試験と核実験はしないと言った」とし、「このすべては北朝鮮が順守し続けると、我々が期待している約束だ」と述べた。北朝鮮に対して、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験など挑発的な行為をしないよう求めたものとみられる。

 ポンペオ長官は対北朝鮮制裁について、「これらの制裁はロシアも投票した国連安保理決議で進められたものだ」と述べ、ロシアに対して制裁履行の必要性を強調した。彼は北朝鮮の外にいる労働者の送還期限が今月22日であることを喚起し、「ロシアに多くの北朝鮮労働者がいる」として、ロシアが制裁決議を遵守することを期待していると述べた。

 しかし、ラブロフ外相は、「安保理決議は制裁のみを取り上げているわけではない。政治的プロセスにさらに積極的に関与する必要性も含まれている」とし、「(朝米の)膠着状態を脱するためには、相互措置、“措置対措置”を持って前に進む必要がある」と反論した。また、「対話は相互措置という考えに基づいている場合に結果をもたらすと考えている」としたうえで、「北朝鮮に直ちにすべて実行するように求め、それが終わってから体制保証や制裁解除、残りの問題に取り組もうと言うわけにはいかない」と述べた。

 米国は、北朝鮮が緊張を高める追加の行為に出る可能性に備え、国際社会の戦列を整備するため、11日に安保理会議を招集したが、このような米ロの隔たりは安保理でも再現される恐れがある。安保理理事国の中国も、朝米間の相互措置を主張してきた。

 米国は、スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表を安保理会議が開かれるニューヨークに送り、地ならし作業に乗り出した。ビーガン代表は安保理会議に先立ち、米国のケリー・クラフト国連大使が主催する昼食会に出席し、国連加盟国の大使らに会議に関する情報を提供すると、国務省が発表した。彼は朝米交渉の状況について説明し、北朝鮮に対する国際協力を要請するものと見られる。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/920421.html韓国語原文入力:2019-12-11 20:14
訳H.J

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