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麗水・順天事件71周年「罪もなく死んでいった魂、椿となって甦れ」

登録:2019-10-18 02:54 修正:2019-10-18 08:12
1948年10月、麗水・順天事件当時の写真。ある住民が虐殺された遺体の前で家族を探している。全羅南道は麗水・順天事件の民間人犠牲者を1万1131人と推定している。麗水地域社会研究所提供//ハンギョレ新聞社

 「自白した彼はグラウンドの向こうの穴の中で銃殺された。姓名も罪名も、誰が審問し、誰が執行したかも記録されず、そうやって消えた」。

 歴史学者のチュ・チョルヒ博士は17日、論文「麗順(麗水・順天)抗争と軍法会議の実体」の中で1948年10月24~30日に全羅南道麗水(ヨス)と順天(スンチョン)を取材した米国の雑誌『ライフ』の写真記者カール・マイダンスの記録を紹介した。チュ博士は同日、順天大学麗順研究所や済州4・3島民連帯が開催した学術討論会で、不当に行使された国家権力の事例を列挙し、民間人犠牲者の再審で裁判部が無罪を宣告すべきと強調した。また、チュ博士は「最高裁判所の再審決定の際、最高裁判事3人が『司法作用を装った国家の無法的集団虐殺』によって麗順事件の民間人犠牲者たちが死亡したという意見を出した」として討論を導いた。この日の討論会では、東国大学のカン・ジョング元教授が「済州・麗順抗争の民族史的再照明と国家暴力の再認識」、全南大学のチョン・ミョンジュン教授が「国家体制と憎悪体制」というテーマでそれぞれ講演した。

 麗順事件71周年を迎え、麗水や順天、ソウルなどでは多彩な追悼行事が続いている。

 麗水市は19日午前11時から、麗水市中央洞の李舜臣広場において麗順事件の犠牲者合同追悼式を開く。追悼式に合わせて麗水全域には黙祷サイレンが1分間鳴らされる予定だ。麗水市は行政安全部の承認を得て16の民防衛警報施設で犠牲者の魂を慰める平坦音のサイレンを鳴らす。同日の追悼式には麗順事件犠牲者の遺族、革新・保守団体会員など500人が出席する予定だ。李舜臣広場では同日午前10時にキリスト教、円仏教、仏教、カトリックの追悼行事が開かれ、午後7時には「和解と平和の願い」と題して文化芸術祭が繰り広げられる。

 全羅南道と麗順抗争遺族連合会は同日午後2時に順天市のチャンデ公園野外舞台で麗順抗争民間人犠牲者合同追悼式を挙行する。追悼式は慰霊祭、追悼祭、発願祭の順に行われる。同日の行事には全羅南道のキム・ヨンノク知事、麗順抗争遺族会員、済州4・3遺族会員などが参加する予定だ。チャンデ公園は事件当時、麗水から列車で順天に入城した第14連隊の軍人と鎮圧警察の間で熾烈な交戦が繰り広げられた場所だ。

 麗順71周年行事推進委員会と韓国民族舞踊協会は21日午後2時から、国会議員会館大会議室で「椿となって甦れ」と題して麗順事件特別法制定を求めるソウル追悼文化祭を開く。国会にはチョン・インファ、イ・ヨンジュ、ユン・ソハ議員などがそれぞれ発議した特別法案5件が提出されている。

アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/913620.html韓国語原文入力:2019-10-17 17:44
訳D.K

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