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検察「改革への抵抗ではない」と反論…捜査加速化する見込み

登録:2019-09-30 00:25 修正:2019-09-30 07:26
「検察改革・司法積弊清算汎国民市民連帯」が主催した第7回ろうそく集会が今月28日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地検の前で開かれ、市民たちが「政治検察は退け」などのプラカードを掲げながら検察改革を求めるスローガンを叫んでいる=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 3年前の「チェ・スンシル国政壟断」ろうそく集会以降、最大規模の参加者がソウル瑞草洞(ソチョドン)の検察庁前に集結し、検察改革を求めてろうそくを掲げたことを受け、ユン・ソクヨル検察総長(日本の検事総長に当たる)は「検察改革に反対してはいない」という考えを改めて強調した。改革に抵抗するため、検察がチョ・グク法務部長官一家に対する捜査を進めているという“フレーム”に反論したわけだ。検察首脳部では「ろうそくデモが全国民の意思を反映するわけではない」という意見もあるが、長く議論の中心にいるほど負担も大きくなるだけに、できるだけスピードをあげて捜査を進めるものと見られる。

■ユン総長「検察改革の意思に忠実に従う」

 検察改革に向けたろうそく文化祭翌日の29日、最高検察庁は「検察改革に関する検察総長の立場」を発表し、「検察改革に向けた国民の意思と国会の決定に、検察は忠実に従い、その実現のために最善を尽くしたい」とし、「検察総長の人事聴聞会からこのような立場を何回も示しており、(その立場には)変わりがない」と明らかにした。

 市民たちが直接「検察改革」を求めたことに対し、「改革の実現に向けて最善を尽くす。すでにそうすると明らかにしたではないか」と答えたわけだ。これについて検察関係者は、「与党がしきりにチョ・グク長官一家の捜査を検察の反改革・抵抗だとする一種の “フレーム”をかけているが、(ユン総長は)そのような捜査でもないし、そうするつもりもないことを明確にしたものだ」とし、「刑事訴訟法上、検事は犯罪を認知した場合、捜査することが義務付けられており、それ以上でも以下でもないということだ」と述べた。

 実際、ユン総長は昨年7月8日の人事聴聞会の冒頭発言で、「検察改革の議論はすでに立法過程にあり、その最終決定は国民と国会の権限であることを承知している」としたうえで、「検察は制度の設計者ではなく、定められた制度の充実な執行者でなければならないと思う」とし、原則的に検察改革案に賛成するという立場を明らかにした。

「第7回司法弊害の清算に向けた検察改革ろうそく文化祭」が開かれた今月28日午後、ソウル瑞草洞最高検察庁とソウル中央地検間の道路が、参加者たちで埋め尽くされた。主催側の予想より多く参加者が集まり、予定されていた行進もキャンセルされた=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

■内部でも「改革に抵抗するための捜査とはあり得ない」

 実際、検察内部ではチョ長官に対する捜査を検察改革と結びつけ、検察を批判するろうそく集会に参加した市民の声には納得できないという反応が多い。すでにユン総長が検察改革の必要性を認め、内部的にも「(国会で)決まり次第従う」という共感が形成された状況に合わないということだ。

 チョ長官関連の捜査は告発によって行われており、チョ長官の5親等の甥が逮捕されて、チョ長官の自宅に対する家宅捜索令状が発行されるなど、犯罪容疑が明らかになる過程であるだけに、捜査を行わない方がむしろ職務遺棄ではないかという反論もある。地方検察庁のある部長検事は「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の設置など検察改革は国会を通じて行うものであり、流れに逆らうことができない状況だ。検察がこれに抵抗するためにチョ長官を捜査するという主張は納得し難い」としたうえで、「改革を掲げているものの、事実上チョ長官に対する捜査をやめろということだ」と述べた。また、別の検察関係者は「検察の“政治的中立”が検察改革の最終目標だ。しかし、与党は生きている権力を捜査することが反改革だと主張している」と批判した。

■できるだけ速やかに捜査が行われる見通し

 しかし、国民の半分以上がチョ長官に対する検察捜査が行き過ぎだと批判的に見ているうえ、一部がろうそく集会に参加するなど、“行動”に乗り出したため、内部的にも一部“調整”は避けられないものと見られている。チョ長官の捜査が深刻な国論分裂につながり、市民たちの抗議を直接受けただけに、議論を鎮静化するためにもできるだけ早く捜査を進めて、結論を出す方がいいという判断だ。これと関連して検察は、チョ長官側と各種疑惑の中心人物であるチョ長官の妻、チョン・ギョンシム東洋大学教授の召喚日程を調整している。

 特殊通出身のある弁護士は、「国政壟断や司法壟断の捜査とは異なり、この事件は人間中心の捜査であるため、比較的事案が簡単で、登場人物も少なく、長い時間を要するものではない」とし、「捜査を早く終わらせることだけが、検察が生き延びる道だ」と分析した。ある検事長出身の弁護士も「政治的で、高官級関連の事件であればあるほど、スピーディに捜査を終わらせなければならないのに、捜査を拡大していく姿が目立った」とし、「11時間の家宅捜索の場合も、2回も令状を取ったそうだが、最初から徹底的に準備しなかったことが問題」だと指摘した。検察庁周辺では、検察がこれまで知られなかったチョ長官と関連した「切り札」(重大な犯罪容疑)を出すことで、情勢逆転を狙う可能性があるという分析もある。

チェ・ウリ、カン・ヒチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/911379.html韓国語原文入力:2019-09-29 21:05
訳H.J

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