ドナルド・トランプ米大統領がフランスで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議の舞台で、北朝鮮の経済的潜在力を強調し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長もこれをよく知っているはずだと述べた。朝米非核化実務交渉の再開に向けた融和的なジェスチャーと見られる。
トランプ大統領は首脳会議最終日の26日(現地時間)、フランスのエマニュエル・マクロン大統領との共同記者会見で、イランと関連した質問に答えた後、「北朝鮮に関して言えば、金正恩委員長はものすごい潜在力のある国を持っている者」だと述べた。
トランプ大統領は北朝鮮について「中国やロシア、韓国の間に位置する」として、地理的利点を挙げた。彼は「韓国に行きたがっている人が多いが、空路以外に他の方法があれば、(様々な国を)横断していきたいと思うだろう」とし、「鉄道や他のすべてのものがそこで起きるかもしれない」と述べた。南北中ロを結ぶ鉄道の建設が、米国が北朝鮮に語ってきた「より明るい未来」の姿になりうるとほのめかしたのだ。
トランプ大統領は同日、エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領と首脳会談を始める際も、「金委員長とその指導力のもと、北朝鮮は大きな潜在力を持っている」とし、「私は北朝鮮がそれを無駄にすることを望んでいるとは思わない」と述べた。
トランプ大統領と金委員長は、今年6月末に板門店(パンムンジョム)で会って実務交渉を再開することで合意したが、まだ実現していない。北朝鮮はその間、今月24日までに計7回にわたってミサイルを発射した。トランプ大統領は「短距離ミサイル発射は約束違反ではない」として、意に介さないと述べるなど、北朝鮮を刺激しないよう務めてきた。
一方、トランプ大統領はマクロン大統領との記者会見で「妻(メラニア夫人)も金委員長についてよく知るようになった」と述べたが、マスコミから「メラニア夫人は金委員長に会ったことがない」という指摘を受けた。ホワイトハウスのステファニー・グリシャム報道官は資料を出し、「大統領は金委員長との強い関係の細部事項を含め、多くの事案について夫人に打ち明けている」とし、「メラ二ア夫人が金委員長に会ったことはないが、大統領は夫人も金委員長について良く知っていると感じている」と釈明した。