韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了で、日本の追加報復の可能性など、韓国経済の不確実性が大きくなるという懸念が高まっている。23日、市場の反応は大きくなかったものの、韓国政府は今後の経済に及ぼす影響を見極めながら、対策作りに腐心している。
ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は同日、政府ソウル庁舎で開いた研究機関長懇談会で「前日のGSOMIAの終了決定で、日本の反応によっては経済的側面で困難と不確実性が簡単に解消されない可能性もある。さらに緊張感を持って対応していく」と述べた。また「日本の恣意的な判断によっていつでも輸出規制が行われるという不確実性が、韓国経済と企業にとっては大きな問題」だと付け加えた。
ホン副首相はこれに先立ち、政府世宗庁舎で行った記者懇談会でも、「GSOMIAの終了で日本の経済報復を対話で解決することは困難だろう。韓国経済に及ぼす否定的な影響が最小限に抑えられるよう、綿密に状況を管理する」と述べた。彼はGSOMIAの終了決定に失望した米国が自動車関税賦課など経済報復をする可能性について、「その段階までは行かないと確信する」と述べた。
GSOMIAの終了による不確実性の拡大にもかかわらず、同日の証券市場と外国為替市場は変動幅がそれほど大きくはなかった。韓国総合株価指数(KOSPI)は二日連続で下落したが、“弱保合”水準で下げ幅は大きくなく、前取引日より0.14%(2.71)下がった1948.30で取引を終えた。個人が914億ウォン(約80億円)分を売り越したが、機関と外国人がそれぞれ659億ウォン(約58億円)と85億ウォン(約7億円)を買い越し、横ばいを記録した。ソウル外国為替市場でウォン相場は、前日の終値(1207.4ウォン)より3.2ウォン値上がりしたドル当たり1210.6ウォンで取引を終えた。一時前日終値に比べ、7ウォン以上上がったこともあったが、時間が経つにつれ変動幅が収まった。
ただし、韓日対立の深化はウォン安ドル高に上昇圧力として働きかねない。政府は市場不安と変動性が拡大した場合、段階別シナリオに従って市場安定化措置を講じる方針だ。
業界では、日本の追加報復の可能性が半導体などの主要産業に悪影響を及ぼすことを懸念する声があがっている。SK証券のハン・デフン研究員は「韓日両国が互いに報復措置を交互に断行する状況で、日本は直ちに韓国の産業界に実質的な被害を与えるための戦略を使う可能性が高い」とし、「日本との摩擦が激しくなり、半導体、ディスプレイ、材料など国産化と関連する銘柄は市場の関心を受けるだろうが、全般的な投資心理はもう一度外部要因に影響を受けるだろう」と予想した。KB証券のキム・ドンウォン研究員は「通関に関する許可審査が長期化する可能性があるという点で、今後半導体材料の購買活動にある程度影響を及ぼすことも考えられる」と指摘した。