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人権活動家が偽装就業者に…つくられた法務部の“難民面接”

登録:2019-06-19 10:20 修正:2019-06-19 11:59
今月18日午後、ソウル中区の国家人権委員会で法務部による難民面接操作事件の被害者証言大会が開かれた=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 エジプトの人権運動家のラヒム(仮名)は、エジプト政府の脅威から逃れて2016年5月、妻と一緒に韓国に来た。ラヒムは2008年の春、4・6青年運動を主導しエジプト独裁政権ホスニー・ムバラク大統領などに対抗するデモを行い、エジプト政府は2014年4月にラヒムが属した団体を不法団体に指定した。韓国に来たラヒムは同年6月に難民申請をした。難民認定のために面接を受けたラヒムは、インタビューの間、当惑を隠せなかった。「これまでどこでデモをし、何度逮捕され、軍人がどのように足を折ったかなどを話そうとしたが、面接審査官は簡単に答えろと言って、資料の提出も要求しなかった。お金がいくらあるかなど申請書に書かれた内容と関係のない質問ばかりしました」。法務部はラヒムの難民申請を受け入れなかった。その後、難民不認定の理由を聞いたラヒムは、供述書に自分の述べていない言葉が書かれていたことを知った。書類にはラヒムが「嘘の難民申請をし、韓国で金を稼いだらエジプトに戻る可能性がある」と書かれていた。ラヒムは結局「難民不認定処分」取り消し訴訟を起こし、長い法廷争いの末、昨年難民認定を受けた。

 18日、ソウル中区(チュング)の国家人権委員会前で「法務部による難民面接操作事件の被害者証言大会」が開かれた。証言大会に出席した5人の難民申請者は「韓国で働くために」難民を申請すると出入国事務所の面接書類が誤って書かれていたと口をそろえて言った。アラブ人のムナ(仮名)は「難民認定を断られ、行政訴訟を進めるために訪れた裁判所で、自分の性別が女性ではなく男性と記載されていることを知った」と話した。

 難民申請者の行政訴訟を代理したクォン・ヨンシル弁護士は、出入国事務所の難民面接調書がコピーして貼り付けたように同じだったと指摘した。クォン弁護士は「難民虚偽面接調書事件と関連して、類似した事例を集めたところ、面接調書がほぼコピーされたように同じで、通訳者の署名も同じだった」と説明した。この日の証言大会を主催した難民人権センターのキム・ヨンジュ弁護士は、「難民の面接を担当する難民審査官は全権を握るほど難民申請の決定に重要な唯一の役割を果たす」とし、「にもかかわらず、難民面接調査が密閉された空間で外部の管理監督なしに進められている」と批判した。難民人権センターは、難民審査の過程で難民審査官とアラブ語の通訳士による面接調書が虚偽で作成されたことと関連し、昨年7月、国家人権委に陳情を出した状態だ。

 一方、面接調書の虚偽作成に関し、法務部は「2016年にソウルと揚州(ヤンジュ)の出入国・外国人庁所属の難民専門担当公務員など3人に対して1次調査を終え、人権委の調査結果が出しだい処分する予定」だと明らかにした。

クォン・ジダム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/898371.html韓国語原文入力:2019-06-18 20:40
訳M.C

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