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主要な参考人は調査せず…検察、元法務部次官事件にまた「ずさん捜査」

登録:2019-06-05 09:46 修正:2019-06-05 16:53
キム・ハグイ‐ユン・ジュンチョン//ハンギョレ新聞社

 検察が、過去二回嫌疑なし処分をしたキム・ハグィ元法務部次官(63)を性接待を含めた収賄の疑いで拘束起訴した。検察は「キム・ハグィ映像」の中の男性はキム元次官(当時)であると明らかにした。

 6年前に自ら下した判断を覆したものだが、2013年の検察の見逃し捜査疑惑は公訴時効が過ぎており、捜査できなかったと明らかにした。当時の大統領府の民政首席室関係者やハン・サンデ元検察総長などが追加で明らかになった「ユン・ジュンチョンリスト」にも“免罪符”が与えられた。しかし、当時当局者の中で最初に動画の存在と内容を確認した主要な参考人は調査すらしなかったことが確認され、また別の意味で“ずさんな捜査”という批判を免れないと見られる。特別検察官による再捜査を要求する代わりに“セルフ捜査”を選んだ検察の限界が明らかになったという指摘もある。

 キム元次官事件の検察捜査団(団長・ヨ・ファンソプ清州地検長)は4日、捜査団が設けられたソウル松坡区(ソンパグ)のソウル東部地検で捜査結果を発表した。キム元次官には、スポンサーのユン・ジュンチョン氏などから1億7千万ウォン(約1600万円)分の賄賂を受け取った容疑が適用された。性接待も賄賂に含まれたが、特殊強姦などは除外された。ユン氏は、L氏に対する強姦致傷、詐欺および斡旋受財などの容疑で裁判にかけられた。

 キム元次官とユン氏の賄賂および一部の性犯罪の容疑を除くほとんどの疑惑には、「根拠なし」「公訴時効経過」などを理由に、事実上免罪符が与えられた。まず、当時捜査チームの手抜き・見逃し捜査疑惑(職務遺棄)の解消のために捜査チーム所属の元・現職検事8人を調査し、最高検察庁とソウル中央地検を強制捜索したが、「公訴時効(5年)問題で追加捜査を進めることはできなかった」という結論を下した。

 2013年3月、朴槿恵(パク・クネ)政府の大統領府民政首席室がキム・ハグィ映像の警察捜査に関与したという職権乱用の容疑も、当時の捜査警察たちの否定などを根拠に不起訴処分した。法務部の検察過去事委員会が6日前、捜査の必要性を明らかにしたハン・サンデ元検察総長、ユン・ガプクン元大邱(テグ)高検長、パク・チュングン元春川(チュンチョン)地検次長検事など「ユン・ジュンチョンリスト」に関しても、「当時の捜査ラインの関係者らがハン元総長の介入事実を否定している」などの理由で、捜査が難しいと述べた。

 しかし、検警の中で一番先に映像を確認したイ・チョルギュ元京畿警察庁長(現自由韓国党議員)に対しては、「調査に応じない」という理由で何の調査も行わなかった。しかしイ議員は、ハンギョレとの電話インタビューで「(捜査チームから)出て来いと言われたので、『私がなぜ行かなきゃならないんだ。ユン氏の別荘に誰が出入りしたのか聞いたことがあった。過去の手抜き捜査を調べる意志があるなら(私のところに)来い』と言ったが、検察捜査団は来なかった」と述べた。

 検察内外では、予見された結論という反応が出ている。過去の検察による手抜き・見逃し捜査まで掘り下げなければならない事件の特性上、「常設特検法」によりパク・サンギ法務部長官が特検捜査を発動すべきだとの意見が多かったが、パク長官はムン・ムイル検察総長などの意見を受け入れ、「特別捜査団」(検察自主捜査)を選んだ。当時、検察内部では「ムン総長は決断を下したが、特検が始まれば痛い目に遭う後輩たちが出ることを懸念したのではないか」という話も出た。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/896688.html韓国語原文入力:2019-06-05 07:34
訳M.C

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