本文に移動

釜山の「カンカンイ村」を知っていますか

登録:2019-05-13 08:37 修正:2019-05-13 12:15
カンカンイ遊覧船=影島文化都市事業団提供//ハンギョレ新聞社

 釜山市影島区(ヨンドグ)大平洞(テピョンドン)にある旧渡船場近くの町は「カンカンイ村(マウル)」と呼ばれる。小さな港があるところで、日本の植民地時代だった1912年、韓国で最初の近代式造船所がここに造られ、造船産業が始まった。海を背にして中区(チュング)南浦洞(ナムポドン)側の陸を眺める地形であり、1970年代には修理造船業のメッカとなった。当時、村には船底についた貝を剥ぎ取りサビを落とすかなづちの音があふれていた。その音から「カンカンイ村」と呼ばれるようになった。

 2000年代に吹き荒れた造船業の不況で、修理造船所が他所に移転し村は衰退した。近代造船産業の出発地の歴史・文化資源など遺産はそのまま残った。釜山市は2015年、さびれた村を芸術・文化とあわせて復活させる文化芸術型都市再生プロジェクトにカンカンイ村を選定した。現在、村の随所で地域芸術家の作品と村の歴史が調和をなしている。

 カンカンイ村にあるもう一つの名物は、ここから中区南浦洞へと行き来した「影島渡し船」だ。1876年から渡し船はここから海を渡り中区のチャガルチ市場一帯を行き来した。1930年代には渡し船の1日の利用客が1万人余りにのぼったという。影島に造船工業などの軍需産業体が発足し、渡し船だけでは人と資材の輸送ができなくなったため、日帝は1934年11月に影島橋(影島大橋)を建設し、渡し船業は衰退した。2013年に台風で渡し場などが被害を被り、渡し船の運航も中止された。

 約130年間の市民の思い出がこもった航路が復活する。影島文化都市事業団は17日、カンカンイ村で船の安全運航を祈願する伝統的な厄払いなどを行うカンカンイ遊覧船出港式を開き、18日から遊覧船の運航を開始する。カンカンイ遊覧船はディーゼルエンジンで動く13トンの鋼鉄船で、定員は34人。大平洞の旧渡船場から出港し、影島大橋と修理造船所一帯を見学して帰ってくるコースを回る。毎週土・日曜日の午後1、2、3時の3回運航する。平日には団体の事前予約を受けて運航する。イ・ヘミ事業団事務局長は「カンカンイ村の独特な暮らしをうかがえる新しい文化観光コンテンツになるものと期待している」と話した。

キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/893546.html韓国語原文入力:2019-05-12 16:39
訳M.C

関連記事