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金正恩委員長、「ドイモイ」の現場視察し祖父の足跡辿るか

登録:2019-02-19 07:18 修正:2019-02-19 17:08
金正恩国務委員長のベトナム訪問予想地//ハンギョレ新聞社

 2回目の朝米首脳会談のため、今月末にベトナムを訪問する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、現地で何を重点的に見ようとするだろうか。経済発展のための「ベトナムモデル」と祖父の金日成(キム・イルソン)国家主席のベトナム訪問を2つのキーワードにし、金委員長が訪問する有力な候補地を展望できる。

 第一候補は、ベトナム経済発展モデルを象徴する「ドイモイ」の核心現場だ。ベトナムは1986年、「新しく変える」という意味の改革・開放政策であるドイモイを施行し、経済成長を実現してきた。成長率は右肩上がりで、2018年には7.08%の成長率を記録した。ベトナム現地状況に詳しい政府関係者は18日、金委員長が視察する経済現場として「まだ推定に過ぎないが、サムスン電子の携帯電話工場があるバクニン省やベトナム国産自動車工場があるハイフォン、大規模リゾートが建設されたハロン湾が有力視される」と話した。バクニン省とハイフォンには韓国など外国資本が大規模投資をしている。外資誘致のための経済特区開発に拍車をかけている北朝鮮にとっては、一種の“ロールモデル”になり得る。

金正恩国務委員長のベトナム訪問予想地。 首席宮とハロン湾//ハンギョレ新聞社

 バクニン省は、ドイモイの代表的な成功事例に挙げられる。成長率が19%(2017年)で、ベトナムの58省のうち第1位であり、1人当たりの国内総生産はベトナム全体の平均2385ドルの2.5倍の6035ドルだ。首脳会談が開かれるハノイから1時間の距離(45キロメートル)にあり、遠くない点も長所だ。バクニン省は、韓国がベトナムで最も多くの投資をしている地域でもある。2018年5月基準で、韓国の同地域に対する累積投資金額は95億ドルで、ベトナム全体に対する投資額の16%を占める。バクニン省の代表的な経済現場としては、「サムスン電子の携帯電話第1工場」がある。

 ベトナム第3の都市、ハイフォンも有力な候補地とされる。港町ハイフォンはベトナム北部地域の物流の中心地であり、韓国企業としてはLG電子やLGディスプレーなどが進出している。特に、ここにはベトナム初の完成車メーカー「ビンファスト」の生産工場がある。現地外交消息筋は「自国製の自動車を生産しようとするベトナム政府が強力に後押ししている工場」だと話した。昨年末、北朝鮮のリ・ヨンホ外相もハイフォンを訪れた。

金正恩国務委員長のベトナム訪問予想地。 ハイフォン市とバクニン省 //ハンギョレ新聞社

 ユネスコ世界自然遺産であり、観光都市で有名なハロン湾も欠かせない。約2000の島が点在し、エメラルド色の海水が絶景をなしているハロン湾には、1日平均1万人を超える観光客が訪れており、そのうち80%が外国人だ。多くの不動産企業が海岸地域にリゾートを建設するなど、投資が集中している。北朝鮮の代表的な観光特区である元山(ウォンサン)葛麻海岸観光地区の建設現場を訪問するなど、観光産業に大きな関心を示している金委員長にとって良いモデルになる。同地域は、金委員長の祖父である金日成(キム・イルソン)主席が1964年にベトナムを訪問した時に訪れた場所でもある。

 金日成主席が1964年の2度目のベトナム訪問の際に訪れた場所を、金委員長が再び訪問する可能性もある。金主席は当時、主席宮でホー・チ・ミン主席と会談し、ベトナム人民軍博物館や友好協同組合事業場、ハロン湾などを訪問した。北朝鮮とベトナムの伝統的な友好関係を象徴する場所を訪れる可能性もある。ベトナム戦争当時、北朝鮮は北ベトナムを軍事的に支援したが、ベトナム政府が支援軍に来て死亡した北朝鮮軍の戦死者を称えるために造成したバクニン省(ハノイ北東側)の追悼公園に、北朝鮮軍14人の追悼碑が建てられている。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/882636.html韓国語原文入力:2019-02-1820:55
訳H.J

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