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ILO「教師・公務員の政治活動禁止は協約違反」改めて確認

登録:2019-02-14 08:57 修正:2019-02-14 13:17
2017年に朴槿恵政権の退陣を求める時局宣言に参加した教師を懲戒した教育部の措置に抗議し、全国各市・道教育庁および教育支援庁前で1人デモが行われた=セウォル号惨事責任朴槿恵退陣教師宣言者弾圧対応対策委員会提供//ハンギョレ新聞社

 国際労働機関(ILO)の「協約および勧告適用専門家委員会」(以下、専門家委員会)が、教師・公務員の政治活動を禁止した韓国の国家公務員法第65条(政治運動の禁止)は政治的見解に基づいた差別を禁じる国際労働機関協約111号協約違反という判断を下した。111号協約は「雇用および職業における差別待遇に関する協約」(1958)で、韓国政府の協約不履行はすでに国際労働機関総会の基準適用委員会(CAS)に4回も上がるなど、常に問題として指摘されてきた。専門家委員会は国際労働機関の理事会が任命した20人の法律専門家で構成された独立機構で、加盟国が協約と勧告をきちんと履行しているかを審査する。

 国際労働機関は今月8日、ホームページに載せた専門家委員会の報告書(ショートカット)によると、専門家委員会は協約違反について韓国政府が明らかにした立場を説明した後、「政治的な活動が教育機関外部で行われる場合、また教える教育本来のことと関係なく行われる場合、(…)政治活動の全般的な禁止は特定の職業の固有の要件に該当しない」と明らかにした。したがって「政治活動に参加した教師に対するいかなる懲戒も本協約に反するもので、こうした懲戒は政治的意思表現における明確な差別にあたる」と指摘した。

 これに先立ち、韓国政府は専門家委員会に「教育の政治的中立性は憲法上の要件」、「教師のすべての活動は潜在的な教育の一部」、「現行法は労働組合や団体活動を禁止しているだけで、教師個人の政治的意思表現を禁止しているわけではない」など、「特定の職業の固有の要件」のため政治的意見に対する制約は避けられないという立場を明らかにしていた。これについて専門家委員会は、学校外で行われる教師の政治活動は「特定の職業の固有の要件」に該当せず、政党加入などを含め様々な形態の政治活動を制約してはならないとした。専門家委員会は「小中学校の教師らが政治的意見に基づいた差別から保護されるよう、直ちに措置を取ること」「特に、教室外で、あるいは教えることとは関係なく行われる政治活動は保障し、こうした理由で教師が懲戒を受けないよう適切な措置を直ちに取ること」を勧告した。

 全国教職員労働組合(全教組)は13日、論評を出し、「政党加入はもちろん、SNSで政治的意見を含む掲示物に『いいね』を押しただけでも法廷に立たされ、懲戒を受けなければならないなど、韓国の教師は『完全な市民』として生きられない。これは教師の『政治的中立性』を過度に拡大・適用し、教育活動と関係のない教師の日常的政治活動さえ過度に制約するもので、憲法に保障された国民基本権の本質的内容の侵害禁止に反し、国際基準ともかけ離れたもの」だと主張した。また、政府が関連法令の速やかな改正を通じて教師の政治基本権を保障することを要求した。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/882002.html韓国語原文入力:2019-02-1317:10
訳M.C

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