「キム・ボクトンさんは強い女性で、強い精神力を持った方だ。韓国に行くたびに訪ねて尊敬を表わしてきた」
2007年に米国連邦下院で日本軍「慰安婦」問題解決のための決議案可決を主導したマイケル・ホンダ元連邦下院議員(77)は、28日に亡くなったキム・ボクトンさんをこのように賛えた。彼は日系でありながら下院議員時代(2001~2017年)はもちろん、その後も慰安婦問題に対する真の謝罪を要求し、絶えず日本政府と闘ってきた。エチオピアを訪問中のホンダ元議員は29日、現地時間で深夜0時に近い時刻にもかかわらず「重要なニュース」として電話インタビューに応じた。キム・ボクトンさんの名を語る時は、韓国語で「ハルモニ(おばあさん)キム・ボクトン」と話した。
ホンダ元議員は「キムハルモニが日本政府の謝罪を聞けずに亡くなったことがとても悲しい」と述べ、「もう韓国に(生存被害者が)23人しか残っていない。被害者が亡くなるたびに、日本の謝罪を受けられるよう闘い続けなければならないと再確認している」と話した。
ホンダ元議員は、ソウルの日本大使館前で毎週開かれる水曜集会にも何度も参加した。2017年10月の集会では、キムさんが一緒にいたが、彼が昨年11月の集会に行った時には、キムさんは病院にいた。彼は「病院に訪ねて行ったところ、ハルモニは『来てくれてありがとう』と言い、別れ際には『安倍(日本首相)を、必ず倒しましょう』と注文した。必ず謝罪させるようにしようとのお言葉だった」と回想した。また「キムハルモニは既に永眠されたが、私たちがあきらめずに闘い抜くことを期待して見守っておられるだろう」と話した。
ホンダ元議員は、未来世代たちが過去の日本の蛮行を正しく知ることが重要だと強調した。彼は「水曜集会に行くたびに嬉しかったのは、若者たちの参加が増えていることだった」とし、「過去に何があったのか、若者たちがよく知っている限り、私たちのこうした努力には価値がある。私たちは今後も闘い続ける」と話した。また、米民主党が下院で多数党になったことに触れ、「米国でも多くの政治家が、安倍首相に謝るようさらに積極的に動かなければならず、韓国系米国人がまとまって声を上げなければならない」と話した。彼は「キムハルモニが生きていらっしゃれば、昨年病院でした話をまたするだろう」とし、「私たちは謝罪を受けるために闘い続け、教え、キムハルモニと被害者のための私たちの責任を忘れないだろう」と語った。
ホンダ元議員は、安倍首相に直接言いたいことがあるかと尋ねると、「15年間にわたり要求してきたこと」と言い「日本の指導者として、真実と責任を認め、曖昧にせずにきっぱりと謝罪すべきだ」と語った。「そうしてこそ、子どもたちが過去を知り、人権を侵害したり女性に暴力を加えてはならないということを知る市民に育つことができる」ということだ。また、安倍首相の母方の祖父である岸信介がA級戦犯であることを取り上げて「安倍は自身の家族がこの問題の一部であったために、体面を傷つけることを恐れたり、謝る勇気がないのだろう」とし、「指導者らしく謝るべきだ」と話した。