金英哲・北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が、17~19日のワシントン訪問期間に米中央情報局(CIA)副局長と会合したという報道が出てきた。
ウォールストリートジャーナルは21日(現地時間)、「金副委員長が18日、ワシントンでボーン・ビショップ中央情報局副局長に非公開で会った」と報道した。この新聞は、具体的な時間・場所・内容は伝えなかった。ビショップ副局長は1981年から30年間中央情報局で勤め、2011年に退任したが、昨年8月ドナルド・トランプ大統領が中央情報局の副局長に起用した。
これに先立って金副委員長は、ワシントン到着2日目の18日午後7時10分頃、宿舎のワシントン・デュポンサークルホテル内で、コートを着ないスーツ姿でエレベーターで移動する姿が取材陣に捉えられたが、外出の有無は確認されていなかった。ウォールストリートジャーナルの報道が事実ならば、金副委員長がビショップ副局長とホテル内または外部で秘密裏に会合したと見ることができる。これに先立ってワシントンポストは、金副委員長がジーナ・ハスペル中央情報局長に会う予定だと報道したが、二人が実際に会ったか否かは確認されていない。
一方、ウォールストリートジャーナルは、朝米の情報機関間チャンネルが2009年から稼動したと伝えた。バラク・オバマ大統領時期の2009年、当時金英哲・偵察総局長とジョセフ・デトラニ元国家情報局(DNI)国家非拡散センター所長が動き、ビル・クリントン元大統領がその年の8月に北朝鮮を訪問し、抑留された米国人記者2人を連れて帰った。2012年からはマイケル・モレル、エブリル・ハインツ・中央情報局副局長が、2014年にはジェームズ・クラッパー国家情報局長が北朝鮮を訪問し、抑留米国人の釈放問題などを扱った。トランプ行政府では、朝鮮半島危機が高まった2017年8月からマイク・ポンペオ当時中央情報局長と金副委員長のチャンネルが稼動し始め、昨年6月には初の朝米首脳会談を成功させた。その後も統一戦線部と中央情報局のチャンネルが維持されている。