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「市民とともにする基盤」探すニュース打破、市民ファンディングを開始

登録:2019-01-19 08:46 修正:2019-01-19 14:55
「ニュース打破が市民とともに世界を変える空間をつくります」とのキャッチフレーズが書かれている//ハンギョレ新聞社

 探査報道専門の非営利独立メディア「ニュース打破(タパ)」が、新たな空間を確保するため市民から後援を受けるファンディングに乗り出した。彼らの新しい基盤づくりには、単なる物理的空間ではなく、独立メディアや1人メディアとの協業・連帯強化のための陣地構築の意味も込められている。

 ニュース打破は18日、今年の8・15光復節に合わせて独立探査センターのオープンを目標に、独立探査報道の空間的土台を構築するため、「世界を変える空間作りプロジェクト」(space.newstapa.org)を発表した。

 2012年1月27日に発足し、今年7周年を迎えたニュース打破は、後援会員の会費をもとに運営され、既成のメディアと比べ人材や装備は劣るが政治・資本権力から自由な点を武器に、国情院の大統領選介入やスパイ操作、全斗煥(チョン・ドゥファン)など国内の有力人物の脱税や海外隠匿財産を追跡した租税回避場所プロジェクト、セウォル号沈没の原因究明、税金泥棒の国会議員の追跡報道など、厚みのある探査報道で注目を集めてきた。

 ニュース打破はこれまで3回引越しをした。1回目はプレスセンター、2回目は麻浦区(マポグ)倉前洞(チャンジョンドン)、3番目は現在の光化門聖公会ビルにある事務室だ。朴槿恵(パク・クネ)政府の時は、政権の顔色を伺って彼らに事務所を貸すオーナーがなく、行く所がないという切羽詰った経験をした。今後、可能であればずっと居られる空間になることを望む4番目の基盤は、独立探査メディアの協業と市民とのコミュニケーション拡大のための空間ということに重きを置いている。現在の空間もニュース打破のスタッフたちの仕事場であるだけでなく、ジャーナリストを夢見る若者たちのための実習空間、ニュース打破の会員のための試写会、1人メディアや独立メディアと協業をしているが、場所が狭いので安定した基盤の確保が切実だ。1人メディアや独立メディアは特別な作業空間がない劣悪な環境の中、ほとんどがカフェやスタディールームを利用している状況だ。

 新しい空間はまだ物色中だ。一次的に市民参加を誘導する「十匙一飯」(皆で力を合わせて一人を助ける)ファンディング作業を2カ月ほど進め、予定地が確保されたら2次キャンペーンに突入する計画だ。新しい空間が特定のメディア会社のものではなく、参加する市民たちのものだという点を強調するため、後援者にインタビュー室、アーカイブ室、研修生講義室など具体的に活用空間が決まれば、希望する空間に名前を刻む予定だ。

 ニュース打破のキム・ヨンジン代表は、「大半の独立メディアが遊牧民のようにさまよっている。1人メディアなどとプロジェクトがあれば、資料も共有して一緒に作業し、私たちが収集した資料を研究者や現業メディア関係者が来て検索、閲覧できるように探査報道のハブの役割をする空間にしたい」とし、「物理的な空間確保だけでなく、外部環境に影響されず探査報道を広めるための陣地を構築するという意味もある」と強調した。

ムン・ヒョンスク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/878961.html韓国語原文入力:2019-01-18 21:22
訳M.C

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