北朝鮮の人権侵害を批判して、即刻改善を促す北朝鮮人権決議案が国連で14年連続で採択された。
国連総会は17日(現地時間)、米国ニューヨークの国連本部で本会議を開き、北朝鮮人権決議案を表決せずにコンセンサス(全員合意)で採択した。決議案は「北朝鮮に組織的かつ広範囲に重大な人権侵害が進行している」と糾弾し、即刻中断を求めた。強制収用所を直ちに閉鎖し、すべての政治犯を釈放することと、人権侵害に責任ある者に対する責任糾明も要求した。また「北朝鮮に慢性・急性の栄養失調が受容できないほど蔓延している」という点にも憂慮を示した。
国連が北朝鮮人権決議案を採択したのは2005年からで、今年で14回目だ。例年のように今回も国連駐在欧州連合(EU)・日本代表部が決議案の作成を主導し、韓国や米国などは共同提案国として参加した。中国、ロシア、イランなど15カ国は、個別国家の人権問題を扱うのに反対するとして、この決議案に対するコンセンサスには参加しないと明らかにした。
決議案の内容は、昨年のものとほとんど同じだ。決議案は、国連安全保障理事会(安保理)に対して「人権侵害に最も責任ある者を制裁し、責任糾明のための措置を取れ」とする勧告も入れた。国連北朝鮮人権調査委員会(COI)が、北朝鮮の指導層に対し人道に対する犯罪をやめ、加害者の司法処理を保障することを促す決議案にも言及した。ただし今年は、南北、朝米の対話ムードを反映して「現在進行中の外交的努力を歓迎する」という内容が新たに入った。
金星(キム・ソン)駐国連北朝鮮大使はこの日の討議で「決議案に言及された人権侵害事例は全く存在しないもので、数人の脱北者によってねつ造されたものに過ぎない」とし「全面拒否する」と反論した。これとは別に、国連駐在北朝鮮代表部はこの日、最近国連安保理で北朝鮮人権討議が5年ぶりに失敗に終わったことと関連して、マスコミ声明を出し「討議の失敗は、私たちの要求が正当だったことを証明している」と主張した。
北朝鮮人権決議案は、朝米対話が膠着した中で米国が崔龍海(チェ・リョンヘ)労働党副委員長らを制裁対象に上げるなど、人権弾圧を理由に対北朝鮮圧迫を高める中で出てきた。しかし北朝鮮はこの日、米国に対する刺激的な攻撃は自制した。北朝鮮は崔副委員長などの制裁に対しても、今月16日、外務省米国研究所政策研究室長名義の談話形式で強度を調節しながら反論した。