文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領が30日~12月1日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の期間中に韓米首脳会談を行うと、大統領府とホワイトハウスが発表した。韓米首脳が現在膠着状態に陥っている朝米関係の突破口を開き、2回目の朝米首脳会談に向けて弾みをつけられるかに注目が集まっている。
文大統領のチェコ訪問を随行しているユン・ヨンチャン大統領府国民疎通首席は28日(現地時間)、「韓米両国はブエノスアイレスで開かれるG20首脳会議期間中に、文大統領とトランプ大統領の首脳会談を行うことで合意した。時間や場所など具体的な事項はまだ協議中」だと明らかにした。ユン首席は「両首脳は朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和定着など平和プロセスを推進することおいて、両国の協力案と韓米同盟強化に関連した協力案などを重点的に論議する予定だ」と述べた。これに先立ち、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も27日(現地時間)、「トランプ大統領は(G20期間中に)韓国の文在寅大統領に会うことになるだろう」と明らかにした。
文大統領の就任後6度目となる今回の首脳会談は、北朝鮮と米国の非核化交渉に進展が見られない状況で行われる。北朝鮮は、今月8日に予定されていた金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長とマイク・ポンペオ国務長官のニューヨーク高官級会談を直前に取り消して以来、新しい日程について米国に返信していない。大統領府は、足踏み状態の朝米対話の動力を蘇らせるため、G20サミットで韓米首脳会談を開く案を積極的に推進してきた。大統領府関係者は「トランプ大統領が韓米首脳会談に強い意志を示したと聞いている」と話した。
両首脳は今回の会談で、朝米対話の膠着状況を打開する案を話し合うものとみられる。朝米は非核化の追加措置と制裁緩和の順番をめぐり神経戦を繰り広げている。北朝鮮は、豊渓里(プンゲリ)や東倉里(トンチャン二)、寧辺(ヨンビョン)の3大核施設の査察と廃棄の約束に対する見返りとして、制裁緩和や終戦宣言などを要求しており、米国は北朝鮮に追加の非核化措置を迫っている。
文大統領は、非核化に関する金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の真摯さと非武装地帯監視警戒所の撤去など平和努力を重ねて強調し、米国が制裁により柔軟な態度で北朝鮮との対話に臨むよう説得するものとみられる。大統領府関係者は「文大統領は、朝鮮半島平和プロセスは誰も歩んだことのない道を歩むことなので、一時的な困難があっても確信を持って進まなければならないと強調するだろう」と話した。ただし、制裁緩和の可能性については、「対話がどこまで進むかについては、今のところあまり言えない」と話した。
今回の会談では、来年初めに予想される2回目の朝米会談の時期・場所・議題と終戦宣言問題も議題に上がる見込みだ。大統領府高官は「文大統領は、朝米首脳会談が重要であり、早期に開催されるべきだと説得するだろう」と明らかにした。
さらに金委員長のソウル訪問については「金委員長のソウル訪問問題は、2回目の朝米首脳会談とかみ合って流動的になっているが、北朝鮮の内部事情と判断がより重要だと言える」としたうえで、「特に米国の承認を要する事案ではない」と話した。