文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平主席が17日、韓中首脳会談を開いて「朝鮮半島問題解決の機が熟している」という認識を共にした。両首脳はまた、北朝鮮と米国の会談成功のために緊密に協力することにしたという。北朝鮮と米国の交渉が重大な分岐点になっている状況で、韓中両国が状況認識を共有して協力を約束したことは注目するに値する。最近遅々と進まない北朝鮮と米国の交渉の展望を窮極的に明るく見て「韓・中が協力するから、北朝鮮と米国の二つの当事国もこれ以上長引かせずに交渉に積極的に取り組んでほしい」と要求するメッセージと読まれる。
現在の朝鮮半島情勢は北朝鮮と米国の交渉で「ボトルネック現象」を見せている状況だ。南北関係改善の動きは散見される。「金剛山(クムガンサン)観光20周年南北共同記念行事」が18日に金剛山で開かれ、アジア太平洋委のリ・ジョンヒョク副委員長ら北の代表団が先週韓国を訪ねた。しかし、このような様子とは違って、実質的な南北交流・協力は北と米国の間の非核化をめぐる力比べによって進展していない。
さらに、北と米国の間のつばぜり合いは構想が固まるどころか、一層激しくなるようで多くの憂慮をもたらしている。先週末には北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)委員長の戦術武器試験地図を突然公開して「ことが思うようにならないならば我々も黙っていない」という対米メッセージをちらつかせた。ASEANプラス3の首脳会議に出席した米国のペンス副大統領は「2回目の朝米首脳会談の際に核廃棄の工程表を示さなければならない」として、北朝鮮に圧力をかけた。
このような局面で韓中の首脳が緊密な協力と協調を確認し、膠着状態におちいっている朝鮮半島問題の解決に積極的に取り組むという意向を明らかにしたことは意義は小さくない。ペンス副大統領が数日前に文大統領に「北ともう少し緊密に疎通してほしい」と要請したことがあるが、このような米国の要請を韓国と中国の両首脳が受け入れて積極的に取り組むという意味にも見られるだろう。
両首脳が「2回目の朝米首脳会談と金委員長のソウル訪問が朝鮮半島問題解決の分岐点」と話したのは正確な現実の見方だ。また、金委員長のソウル訪問が早くなされるべきという意味がこめられていると見られる。習主席は文大統領に来年のソウル訪問と共に平壌(ピョンヤン)を訪問するという計画を明らかにしたという。朝鮮半島問題で韓中協力が北と米国の核交渉のきっかけになることを期待する。