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[寄稿]民主主義対資本主義

登録:2018-11-12 23:21 修正:2018-11-13 07:05
6日(現地時刻)に行われた米国中間選挙で、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス候補(29・ニューヨーク・民主党) が共和党の競争者をやぶり最年少の下院議員として当選が確定し、女性支持者2人が歓喜して自分たちで祝いながら自撮り写真を撮っている=ニューヨーク/AFP

 米国の中間選挙で29歳のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏が医療保険拡大、大学無償教育、そして最低賃金15ドルなどの急進的公約を掲げ、下院議員に当選した。2016年の大統領選挙の時、サンダース候補のボランティアメンバーだった彼女は、ついこの前まではバーテンダーだったが、6月に10選の民主党下院議員を競選で退け、波乱を起こした。

 不平等に対抗して欧州式社会民主主義を指向する声が高まっている米民主党の最近の変化は注目に値する。バイデン元副大統領が世論調査で大統領選候補としてリードしているものの、左派のサンダースとウォーレンの人気が若い層では高い。彼らは政府の役割と経済における民主主義を強化する進歩的な政策公約を提示している。

 例えば、サンダースやブッカーらが提示する連邦政府雇用保障制は、失業者のために政府が最低賃金より高い賃金の働き口を提供する制度で、完全雇用のための政府の責任を強調している。費用と仕事の内容などに対して批判する人々が多いが、支持者はこの制度が労働者の交渉力と賃金を高める手段になると主張する。

 一方ウォーレン氏は、大企業が利害関係者のために運営されるということを明示して、法人資格について連邦政府から認可を受けさせ、労働者の経営参加を保障して、経営者の報酬を制限する「責任ある資本主義法」を提案した。これは彼女の言う通り、資本と労働の勢力均衡のために新しいディールを提案したものだった。オバマ前大統領も2008年の大統領選挙の時、ウォール街の金融街から共和党候補より多くの寄付金を受け取ったが、今は民主党の政治家たちは企業の政治的後援を減らし、中下位層労働者の声に耳を傾けている。

 大西洋を越えれば、コービン氏が率いる英国労働党がある。最近、労働党のシャドーキャビネットの財務長官マクドナルドは「包容的所有基金」計画を発表した。大企業が毎年一定の持分をこの基金に移転することとし、企業の所有と経営に労働者の参加を拡大する英国版経済民主化構想だ。企業界は反発しているが、彼はこの制度が企業の長期的意志決定と投資を促進し、不平等を改善することになると反論する。実際、従業員株式保有制を施行した企業では賃金格差が小さく、生産性などの成果が大きいということだ。

 本家の欧州大陸では、既存の社会民主主義政党が四分五裂になっているが、イタリアとスペインでは左派勢力が人気を呼んで政府に参加している。左派勢力は欧州連合(EU)が強制する緊縮に抵抗し、財政拡張と富裕層増税、そして最低賃金の急速な引き上げを推進している。

イ・ガングク立命館大経済学部教授//ハンギョレ新聞社

 こうした進歩左派の浮上は、労働者の怒りを刺激しながら勢力を伸ばしている極右ポピュリズムと対比される。米国のジャーナリスト、ロバート・カットナーによれば、グローバリゼーションの暴走による不平等の深化が自由民主主義の危機を持たらした。彼は、1990年代に第3の道を追求した中道左派政府が財政健全性と規制緩和に傾倒して失敗し、今や進歩的ポピュリズムが必要だと主張する。特に彼は、次の米国大統領選挙で左派民主党候補が選出され当選することが、歴史の流れを変えるために重要だと強調する。

 果たして、西欧でこれら左派が執権できるか、そして彼らの政策がどこまで実現できるかは今後を見なければならない。しかし明らかなことは、黄金期とその後の資本主義の歴史が示すように、民主主義が資本主義を統制できないならば、成長も分配も失敗することになるという点だ。今や次の話題は、資本主義対民主主義であり、未来は進歩のビジョンと政策がどれほど政治的支持を得られるかにかかっているだろう。

イ・ガングク立命館大学経済学部教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/869927.html韓国語原文入力:2018-11-12 19:21
訳J.S

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