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韓国GM「会社分割」を強行…加熱する「撤退への布石」議論

登録:2018-10-20 05:48 修正:2018-10-20 08:09
韓国GMが株主総会を開いて法人分離案件を議決した今月19日午後、総会場所とされる仁川富平区の韓国GM富平工場本社社長室の前で、全国金属労働組合韓国GM支部の労組員たちが呆然とした表情で座っている=仁川/聯合ニュース

 韓国GMは19日、臨時株主総会を開き、問題になっていた「会社分割」案件を議決した。米ゼネラルモーターズ(GM)の子会社であり、単一法人の韓国GMから研究開発部門を切り離して、別の法人を設立するのが主な内容だ。しかし、同日の株主総会は、会社分割案件に反対の意思を示してきた第2位株主のKDB産業銀行の不在の中で進められ、法的効力をめぐり議論を呼ぶものと見られる。GM本社が韓国からの事業撤退を容易にするための手順ではないかという批判も高まる見通しだ。

 筆頭株主のGMは同日、仁川富平本社で韓国GM株主総会を開き、予告どおり「GMテクニカルセンターコリア」(仮称)の法人新設案件を議決させた。GMは法人新設の理由を「韓国GMのグローバル競争力を強化するため」と説明した。しかし、法人の分離問題は、産業銀行と今年5月に締結した「韓国GMの経営正常化のための基本協約書」に含まれていないうえ、産銀との協議なしに推進されており、事実上政府と結んだ協約に違反するものとみられている。

 韓国GMの株式は、GM本社と系列会社が77%、産銀が17%、中国上海車が6%を保有している。5月の協約書には「株主総会の特別決議事項は普通株85%以上の賛成で可能」という内容が盛り込まれ、産銀(持分率17%)が拒否権を行使できるようになっている。産銀は特別決議の拒否権を行使しようとしたが、法人新設は株主総会の特別決議事項ではないという理由で、GM側が受け入れなかった。これに先立ち、産銀は今年9月、該当案件を処理する株主総会の阻止を求め、裁判所に株主総会の禁止仮処分申請を行ったが、棄却された。さらに、韓国GMは今月初めに理事会を開き、法人分割案件を議決した。産銀は同日、韓国GMの“独壇場”と化した株主総会の決議について、「手続き上の問題がある。今後可能な限りの法的措置を進める計画だ」と明らかにした。

 GMの一方的な会社分割決定に労組はストを予告し、激しく反発している。イム・ハンテク金属労組韓国GM支部長は「現在の単一法人を生産工場と研究開発機能の2つの法人に分けることは、新たな構造調整を通じて分割売却するか、工場を閉鎖しようという意図が隠れている」と主張した。GMは、法人新設が撤退のための布石ではないと主張しているが、なぜこの時期に単一法人を二つに分けるべきなのか、生産機能と研究開発機能を分離してこそ競争力が生まれるのかについて、納得できる理由を提示していない。GMがこのまま会社の分割を押し通した場合、労使の正面衝突という極限状況が韓国GM事業場でまた発生する可能性が高い。

ホン・デソン、チョン・セラ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/866618.html韓国語原文入力:2018-10-19 21:54
訳H.J

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