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アジア証券市場「ブラックサースデー」…株式市場に春は見えず

登録:2018-10-12 10:01 修正:2018-10-12 15:04
米株式市場の急落でKOSPI、コスダックともに暴落した今月11日、ソウル乙支路のKEBハナ銀行のディーリングルーム電光掲示板にKOSPI指数が前日より98.94ポイント(4.44%)下落した2129.67を記録している//ハンギョレ新聞社

 「急激な金利急騰、ドル高、米中貿易紛争の激化など、既存の不確実性の影響要因が同時多発的に相互作用を起こし、不確実性が増幅している」(イ・ギョンミン大信証券投資戦略チーム長)

 米国の証券市場暴落の影響で11日、韓国をはじめアジアの株式市場が一斉に焦土と化した。証券市場の専門家らは、ドル高や新興諸国の経済の懸念が解消されていない中、堅固に見えた米国経済の不確実性まで浮き彫りになり、市場に恐怖心理が広がったものと分析した。

■KOSPI下落率、7年ぶりの最大値

KOSPI指数の推移//ハンギョレ新聞社

 この日、KOSPI(韓国総合株価指数)は前日より98.94(4.44%)下がったの2129.67で取引を終えた。8取引日連続で下落し、終値基準で昨年4月12日(2128.91)以来の最安値を記録した。指数下落幅と指数下落率はそれぞれ2011年9月23日(-103.11)と11年11月10日(-4.94%)以来、7年ぶりの最大値だった。KOSPIが8取引日連続で下落したのは、2014年4月23日~5月7日以降、4年5カ月ぶりのことだ。この日の暴落でKOSPIの時価総額は1491兆2980億ウォン(約147兆7400億円)から1425兆8620億ウォン(140兆9700億円)へと、65兆4360億ウォンも減少した。1日の時価総額の減少規模から見れば、史上最大だ。コスダックも前取引日より40.12(5.37%)下がった707.38で取引を終えた。

 株式市場が大きく動揺すると、ウォンの価値も急落した。この日、外国為替市場での対ドルウォン相場は、前日より1ドル=10.4ウォン安ドル高の1ドル=1144.4ウォンで取引を終えた。これは昨年9月29日(1145.4ウォン)以来のウォン安ドル高で、7取引日連続の上昇傾向だ。

 中国上海総合指数(-5.22%)、日本日経指数(-3.89%)、台湾の加権指数(-6.31%)などアジア主要証券市場も軒並み暴落傾向を示した。米国証券市場の急落がこの日、韓国をはじめアジア証券市場の下落の背景に挙げられる。10日(現地時間)、米ニューヨーク証券市場は国債金利の上昇負担と技術株の不安が重なり、ダウ・ジョーンズ(-3.15%)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500(-3.29%)、ナスダック(-4.05%)が一斉に急落した。

■米証券市場の調整、韓国証券市場に最大のリスク要因

全世界の株式市場暴落//ハンギョレ新聞社

 SK証券のキム・ヒョジン研究員は「外国人投資者は韓国企業の外形が成長傾向だった昨年は債券より株式を好んだが、今年に入ってからは株の売りが続いている」と分析した。さらに前夜、太平洋を渡って聞こえてきた米証券市場の下落ニュースは、KOSPIを崖っぷちまで追い込んだ。大信証券のイ・ギョンミン投資戦略チーム長は、「韓国は米国経済への露出度が高いため、米国経済が不安定な様子を見せると国内の株式市場も打撃を受ける。さらに、アジア市場が全般的に落ち込み、韓国市場が一度も反騰せず揺らいだ」と説明した。

 先月最高値を更新した米証券市場が突然崩壊したのは、アップルやアマゾンなど米企業の業績悪化に対する懸念が浮上したためだ。金利の急騰や世界経済の不安など、増幅された不確実性をこれ以上耐え切れなかったものと見られる。サムスン証券のユ・スンミン投資戦略チーム長は「技術株も金利上昇によるマージン減少を懸念するならば、これに代わる別の成長株は存在しない状況だ」と語った。KB証券のイ・ウンテク株式戦略チーム長は「これまで米証券市場が堅調だったのは、貿易摩擦の勝者だからではなく、減税で1株当たりの純利益(EPS)が良好だったためだ。しかし来年には減税効果がなくなり、関税、賃金、原油価格などコスト問題が大きくなる」とし、「こうした状況で米株式市場の調整は年末と年初まで韓国証券市場に最大の危険要因となる」と予想した。

 米国経済の不安が浮き彫りになったことを受け、投資家らは米株式市場から手を引き、外国人資金は国内株式市場からも引き潮のように抜けた。この日一日、国内の株式市場では外国人資金約4000億ウォンが流出した。外国人はこの日、KOSPIで4896億ウォン(484億円)規模で売り越し、指数下落を主導した。先月28日からこの日までの外国人の売り越し規模は約2兆2825億ウォン(約2257億円)に上る。

 問題は、冷え込んだ株式市場にいつ陽が差すか分からないということだ。貿易紛争や技術株の業績悪化などをもたらした米国と中国の覇権争いは、双方はもとより世界経済に大きな打撃を与えている。NH投資証券のオ・テドン研究員は「夜明けの米株式市場の急落は、もはや米国の株式すら安全資産ではないことを示唆している」とし、米国経済も新興市場の深刻な景気鈍化の影響を受けていると分析した。

 トランプ米大統領は依然として追加の関税賦課などで威嚇するなど、11月の中間選挙前に貿易紛争が終わる見込みはない。ハナ金融投資のチョ・ヨンジュン・リサーチセンター長は「当分の間調整が続くだろう」とし、「本格的な回復は米中間選挙以降の米中貿易交渉が再開するときに可能になる」と見通した。メリッツ総合金融証券のイ・ジヌ研究員は「中国経済の脆弱性が人民元切り下げを深刻化させ、ウォン高へと広がっている。外部からの追加の衝撃がなければKOSPI指数は2050ポイント前後になる可能性が高い」と話した。

イ・ワン、キム・スホン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/865508.html韓国語原文入力:2018-10-1121:24
訳M.C

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