キム・グァンジン前大統領府国家安保室長が2016年10月、国家安保室に勤務する軍幹部に、戒厳令の検討を指示したことがわかった。捜査当局はキム前室長の指示と国軍機務司令部の戒厳令文書の関連性について捜査に乗り出した。
機務司令部の戒厳令検討資料を捜査している軍・検察合同捜査団の関係者は14日、「キム前室長が当時、戒厳令の検討を指示し、『国会で戒厳の解除を議決した場合、戒厳を維持する方法は何か』や『陸軍参謀総長を戒厳司令官に任命してもいいか』などを確認して報告するよう指示したという関係者の供述を確保した」と話した。当時、安保室の軍幹部は、キム前室長の指示に従い、検討報告書を作成して報告したことが確認された。朴槿恵(パク・クネ)大統領府の高官が戒厳令の検討を指示し、報告を受けた事実が明らかになったのは初めてだ。
合同捜査団はキム・グァンジン前室長が検討を指示した「国会の解除議決の無力化案」や「陸軍参謀総長の戒厳司令官任命」などが、機務司令部の戒厳令関連文書でも検討された内容という点に注目している。キム前室長の指示と機務司令部の戒厳令検討文書の間に関連性がある可能性もあるからだ。
当時の国家安保室関係者らは、キム前室長の指示に従い、「希望計画」という名前で北朝鮮の急変事態などに備えた戒厳令の宣布を検討したと供述したという。合同捜査団の関係者は「キム前室長の指示がハン・ミング当時国防部長官やチョ・ヒョンチョン機務司令官にも伝わったのかは確認されなていない。時期もろうそく集会が本格化する前であり、機務司令部が戒厳令を検討した2017年2月とは4カ月の時差があるため、(関連性を)予断するのは早い。さらに捜査する必要がある」と話した。
大統領府安保室の内部文書と機務司令部の文書は内容が少し異なるとされる。例えば、機務司令部文書に国会無力化案と関連し、「国会議員を現行犯として逮捕」などのような違法行為が含まれていたのに比べて、大統領府安保室の内部文書は合法的枠組みの中で国会の議決を遅延させる案などを提示しているという。合同捜査団の関係者は「二つの文書に異なる部分があるが、後で機務司がさらに発展させた可能性もあり、二つの文書の関係を確認してみなければならない」と話した。合同捜査団は補強捜査を経て、キム・グァンジン前室長を召喚し、調査する計画だ。現在、キム前室長はハン・ミング前長官やチャン・ジュンギュ元陸軍参謀総長などと共に、被疑者として立件された状態だ。