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米中貿易戦争2次戦に…交渉中に「25%関税」双方砲撃

登録:2018-08-23 22:28 修正:2018-08-24 12:33
中国人労働者が5月23日、中国山東省の青島港で輸入された自動車を検査している=青島/ロイター聯合ニュース

 米中が貿易戦争を収拾するための次官級交渉中に相互に向けて二発目の弾丸を飛ばした。この軋轢は、未来先端産業をめぐる二強大国間の“覇権競争”の性格を帯びており、妥協案を導き出すのは容易ではなさそうだ。

 AP通信は23日、米国政府が予告どおり0時1分(現地時間・日本時刻午後1時1分)に半導体・電子部品・プラスチック製品など中国産輸入品279品目(160億ドル分)に25%の高率関税を賦課したと明らかにした。中国商務部は直ちにホームページを通じて「中国はこれに対し決然と反対し、やむを得ず必要な反撃を継続するだろう」と反発し、官営の新華社通信は国務院関税細則委員会が石炭・銅・バス・医療機器など160億ドル分の米国産輸入品に同率の関税を賦課したと報道した。これに先立って、米中両国は先月6日、相手国からの輸入品340億ドル分に25%の高率関税を賦課し、今回の貿易戦争の火ぶたを切った。

 この日の米国の措置で目を引くのは、関税賦課品目に「半導体」と「電子部品」が含まれている点だ。特に、半導体には韓国の主力輸出品であるメモリーチップを含め、電子製品の生産に必須の多様な部品が含まれている。日本経済新聞は「今回の措置が中国企業に対する精密打撃と見られるが、(逆に)米国企業が被害を被りかねない。(関税が賦課される)「中国の輸出品」のうち相当数が(現地に進出した)米国企業のものであるため」と指摘した。貿易戦争が、米国企業らがこれまで構築してきたグローバル“サプライチェーン”(供給網)に打撃を与えかねないという見解だ。韓国の立場から見れば、中国に進出した半導体・電子企業などの米国向け輸出に支障が予想される。

米中貿易戦争 高率関税賦課規模=資料:米国通商代表部(USTR)、中国商務部//ハンギョレ新聞社

 今後の関心事は、妥協案が導出されるか否かだ。デービッド・マルパス米財務次官と王受文・中国商務部副部長は22~23日、ワシントンで貿易戦争解決のための交渉を行っている。しかしAP通信は「両国代表団が初日に会ったが、論議を終わらせられる進展に関する話は聞こえてこない」と指摘した。

 外信は、米中貿易戦争でより大きな打撃を受けている中国が「譲歩の余地」を探してはいるものの、ドナルド・トランプ大統領の立場があまりにも強硬で、問題の解決は容易でないと指摘した。これに先立って、ウォールストリートジャーナルは17日、米国当局者の話を引用して、両国の交渉団が11月に予定されたアジア太平洋経済協力体(APEC)会議など様々な多国間会議で首脳会談を開き、問題を解く可能性を探していると伝えた。だが、トランプ大統領は21日、今回の交渉に「多くを期待しない。(貿易戦争を終了するための)時刻表はない」として軋轢の長期化を予告した。

 中国は、今回の交渉で米国産農産物・エネルギーに対する輸入を増やす案を提案したと見られる。しかし、米国が要求しているのは、より根本的な変化だ。米国は3月初めに今回の戦争を始め、中国が米国の知的財産権を侵害しているだけでなく「中国製造2025」のような産業政策を通じて、不公正取引をしていると指摘した。今回の戦争の目標を、単純な貿易収支改善ではなく、先端産業分野で米国を見くびる中国の野望をへし折ることに設定したわけだ。中国がこうした米国の要求を受け入れる可能性はない。軋轢の長期化は避けられなさそうだ。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/858942.html韓国語原文入力:2018-08-23 20:01
訳J.S

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