検察が最近、サムスン本社を家宅捜索する過程で、サムスンのブレーンの役割をした旧未来戦略室が作成した労組破壊戦略文書を発見したことが1日、確認された。「2013年 グループの労使安定化対策」という題の同文書は、2013年10月にシム・サンジョン正義党議員がサムスンの労組解体文書だと暴露した「2012年 Sグループ労使戦略」と似ている。シム議員が暴露した当時、サムスンは文書の作成を否定したが、昨年2月に解体された未来戦略室が作成した類似の文書が初めて発見されたわけだ。検察はこの文書の「指針」によってサムスンの系列会社で労組を解体させる工作が組織的に行われたと見て、捜査を進めているという。
この日のハンギョレの取材結果を総合すると、サムスンの労組解体疑惑を捜査中のソウル中央地検公共刑事捜査部は先月10日、サムスンの家宅捜索の過程で、未来戦略室人事支援チームの役員だったK副社長のパソコンからサムスン労組解体工作が盛り込まれた文書を大量に確保した。現在、彼は「小さな未来戦略室」と言われるサムスン電子事業支援TFで人事チームの役員をしている。
特に、今回発見された「2013年 グループの労使安定化対策」文書は、シム議員が公開した「2012年 Sグループ労使戦略」文書と目次までほぼ同じであり、対応戦略などの内容は一部進展されていた。当該文書は、2012年の評価や反省▽2013年の労使環境展望▽労使安定化対策で構成されており、表紙には「最終発表資料」という表示もあったと検察関係者は伝えた。
この文書で、サムスンは2011年7月に設立されたエバーランド労組の主導者の解雇措置などで労組の初期の拡散を防いだ点を「成果」に挙げた一方、労組に対する「完全枯死化の失敗」を不足な点として挙げた。2013年の労使環境を見通しながら「創造コンサルティング」が文書で取り上げられている点も目につく。2012年に国会で労務法人「創造コンサルティング」が民主労組を倒すのに関与したという点が暴露されたことに触れながら、「今回の暴露で労組のスト誘導、偽装廃業など労組破壊戦略が露出しただけに、新しいパラダイムが必要だ」と提示した。そして「労組設立阻止の試みは世論の攻撃などで難しいため、『事前予防』だけが答だ」と強調した。当時「創造コンサルティング」に対する暴露が出た後、世論の非難が提起されたが、サムスンはかえって自分たちの「労組解体戦略の露出」を心配していたということだ。
また、サムスンはこの文書で、各系列会社の最高経営者(CEO)たちに組合に関する「問題人員」を削減し、労組の動向把握などをしっかりしてほしいと要請した。このため、複数の労組の対応態勢の点検などを2013年の4大課題の中に含めた。特に、サムスン系列会社11社などで問題人員が500人台に削減されたと文書で触れられている点が注目される。検察はこれを根拠に、サムスンの労組破壊工作が現在水面上に現れたサムスン電子サービスの事例の他に、他の系列会社でも同じ方式で進められた可能性が高いと見ている。
検察は今回の文書が、グループ系列会社の社長団を相手にした労組破壊講義資料として使用されたと見ている。また、2012年度に作成された「Sグループ労使戦略」と似た内容の2013年度労組破壊対策文書が発見されたことによって、毎年このような文書が作成された可能性も排除していない。