ドナルド・トランプ米大統領は12日シンガポールで史上初めての朝米首脳会談を終えた後、記者会見を行ない「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が非核化過程をまもなく開始するだろう」として、その過程が進行されるため韓米合同軍事演習は中断すると明らかにした。 トランプ大統領はこの日午後4時16分(現地時間)、会談場であるセントーサ島のカペラホテルで1時間5分にわたる記者会見を行ない、今回の会談の感想を明らかにし、問答を交わした。
記者会見の核心は、トランプ大統領が韓米合同演習縮小の可能性に言及した点だった。 彼は「ウォーゲーム(軍事演習)は多くの費用がかかるし、挑発的だ」として「北朝鮮と包括的な交渉をしているのにウォーゲームをするのは適切でない」と述べた。 彼はさらに「(演習のために)グアムから(朝鮮半島まで)飛んで行くのに6時間半かかり、本当に多くの費用がかかる」として「(演習を中断すれば)第一に大きな費用節約になり、第二に、彼ら(北朝鮮)が感謝するようになる」と説明した。朝米が新しい関係構築と非核化および平和体制構築のための本格的な対話を始めただけに、北朝鮮と友好的な雰囲気を維持し、国防予算削減などの経済的利益も確保するという意向を明らかにしたわけだ。 北朝鮮はこれを、今まで要求してきた「敵対行為中断」を米国が受け入れたものと受け止めることが考えられる。
トランプ大統領は駐韓米軍縮小に関しては「今は縮小しない考えだ」としながらも「将来、交渉によっては変わる可能性がある」として、長期的議題になり得ることをほのめかした。彼は「(駐韓米軍を縮小すれば)費用を減らすことができるだろう」と付け加えた。
トランプ大統領はこのような措置に言及しながら「平和」と「生命」を強調して目を引いた。彼は「戦争は終わっていない。だが、今や我々はみな、戦争が間もなく終わるだろうという希望を持つことができる。戦争は終わるだろう」と言った。しかし「終戦宣言」には直接言及しなかった。
トランプ大統領はまた「北朝鮮が約束を履行しない場合の軍事的結果は何か」という質問に「威嚇的に見えることは避けたい。 ソウルには2万8千人の国民(駐韓米軍)がいる。2000万~3000万の人が命を失う可能性もある」として慎重な態度を見せた。彼は昨年は「火炎と怒り」(fire and fury) 等の表現を使いながら北朝鮮に軍事的威嚇を加えていた。
トランプ大統領は、米国がこのような措置を取る程に金正恩委員長の非核化の意志が堅固だという点を積極的に強調した。両首脳が署名した共同声明に米国が強く要求してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の代わりに「完全な非核化」とだけ明示されたが、大きな違いはないということだ。 彼は「共同声明にCVIDが抜けている」という記者の質問に「そうではない。 これ以上明確に言うことはできない。 互いに安全保障について対話をしたし、『朝鮮半島の完全な非核化』を文案に含めてある」と答えた。
トランプ大統領は特に「金委員長が(非核化を)履行すると信じる。北朝鮮に帰ったら、多くの人に喜びと安全を提供するプロセスを開始するだろうと見ている」と話した。また、マイク・ポンペオ国務長官等が主導する後続交渉が来週開かれるだろうと言った。彼は「キム委員長が主なミサイルエンジン試験場を破壊すると約束した」という点も数回強調した。彼は記者会見直前の米国ABC放送とのインタビューでも「キム委員長がすべての場所を非核化するだろう」と話した。
ただ、彼は北朝鮮の非核化完了までは相当な時間がかかるだろうという点も明確にした。それと共に「最大限急ぐ」と強調した。彼は「北朝鮮が相当な量の核兵器を持っていると考える。時間がかかる」として「しかし、このプロセスにおいて、ある地点を越えれば元に戻すことが困難になるというのが重要なところだ。機械的に、物理的に最大限早く進める」と話した。非核化の検証については会見後に記者たちと会って「全体的かつ完全にチェックする」と強調した。
トランプ大統領は記者会見で「平壌(ピョンヤン)を訪問する計画があるか」という質問に「適切な時期に訪問する予定であり、キム委員長も適切な時期に米国に招待する」と答えた。ただし北朝鮮との国交樹立を意味する米大使館を設置する問題については、「まだその話をするには早いようだ」と話した。