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「北朝鮮核検証、これまでで最も広範囲な査察になるだろう」

登録:2018-05-07 22:43 修正:2018-05-08 06:41
2008年6月27日、北朝鮮の寧辺にある核施設冷却塔が爆破される様子//ハンギョレ新聞社

 朝米首脳会談の最大のイシューである北朝鮮非核化の主要争点は、核兵器、核施設、核物質に関する透明な査察と検証だ。ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の会談を控えて、非核化検証作業が核廃棄の歴史で最も広範囲な査察活動になると見込まれている。

 2015年のイラン核協定の時、細部事項を交渉したアーネスト・モニーズ元米エネルギー長官は「北朝鮮はイランが簡単だったように見せるだろう」と話したとニューヨークタイムズが6日報道した。それほど北朝鮮の核能力は、イランに比べて広範囲で高度化され、査察・検証にも困難が伴うという話だ。

 北朝鮮は昨年9月までに6回の核実験を行い、11月には大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星-15号を試験発射し、「国家核武力完成」を宣言した。だが、北朝鮮が核兵器・施設・物質をどれだけ持っているかは正確に把握されていない。米国のランド研究所が出した報告書によれば、北朝鮮には寧辺(ヨンビョン)地域をはじめ40~100カ所の核施設がある。核関連の建物は400棟に達し、このうち少なくとも2棟の建物に原子炉があり、そのうち1カ所は核兵器の原料であるプルトニウムを製造していると推定される。米国核科学者協会の「2018北朝鮮核能力報告書」で、昨年末基準で北朝鮮が生産した核分裂物質はプルトニウム20~40キロ、高濃縮ウラニウム250~500キロと分析した。また、北朝鮮が年間に核弾頭6~7発を製作できる核分裂物質生産能力を持っているとし、これまでに完成した核弾頭は16~32発程度と推定した。一方、中央情報局(CIA)は保有核弾頭を約20発、国防情報局(DIA)は約60発と把握している。これは3年前にイランが米国・ドイツ・中国など6カ国と核協定を結んだ当時、10カ所あまりの核施設があるだけで核弾頭の開発には成功できない状態であったこととは大きな違いだ。

 そのために北朝鮮の非核化検証には約200カ国で活動する300人あまりの国際原子力機関(IAEA)調査官の規模より多くの人材が必要かもしれないとニューヨークタイムズは見通した。特に、国際原子力機関の調査官は核物質の移動経路や核燃料生産装備に関する専門家であるだけで、核兵器を扱う訓練は受けていないと同紙は指摘した。2003~2004年、米国のイラク大量殺傷兵器追跡を指揮したデービッド・ケイ博士は「率直に言って(北朝鮮核査察のための)人材集団に制約がある」と話した。

 このような障害を跳び越えるには、北朝鮮が保有した核兵器と施設、物質をすべて公開し、検証に全面的に協力しなければならない。だが、ニューヨークタイムズはこれに対する展望は懐疑的だと主張した。金正恩委員長は最近、豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を外国の専門家たちとマスコミに公開すると明らかにした。

ファン・ジュンボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/843597.html韓国語原文入力:2018-05-07 17:18
訳J.S

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