27日、歴史に新たなページを刻む南北首脳会談の会場が初めて公開された。大統領府が25日に公開した板門店(パンムンジョム)の平和の家会談場には、長方形のテーブルの代わりに和合を象徴する楕円型のテーブルが置かれ、壁面には金剛山(クムガンサン)を描いた絵が掛けられた。大統領府資料と説明をもとに、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の会談シーンを構成してみた。
27日午前、両首脳は平和の家の前で南側の儀仗隊を査閲する。金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が平壌(ピョンヤン)で人民軍儀仗隊を査閲したように、今回韓国を訪れる金正恩委員長は、板門店で国軍3軍(陸海空軍)儀仗隊を査閲すると、国防部が25日に発表した。板門店の空間が狭く、査閲は縮小された儀仗行事として行われる。
さらに、文大統領と金委員長が平和の家に並んで足を運ぶ。両首脳は共に平和の家の正門に入る。以前ここで開かれた南北会談の際、南側代表団は左の、北側代表団は右の出入口から別々に入場したのとは異なる姿だ。
1階ロビーに入った両首脳は、芳名録に署名する。署名台は伝統的な海州(ヘジュ)膳をかたどった。芳名録への署名を終えた両首脳は、同じ階にある歓談場に入る。歓談場は白を基調にし、清潔な雰囲気のインテリアが施された。韓紙が塗られた障子戸が壁を囲み、からむしで覆った椅子が置かれている。白衣民族の控えめな美しさを表現し、主人が部屋で暖かくお客を迎える雰囲気を活かしたというのが、大統領府の説明だ。会談場の随所には花が生けられた白磁の壺が置かれている。花の王とされるシャクヤクや友情を象徴する紫ハナズオウ、平和の象徴であるデイジー、幸せと喜びという花言葉を持つスズランに、非武装地帯で見られる野生花と済州の黄色い菜の花が見られる。大統領府は「1階は歓迎と配慮をテーマにお客をもてなす喜びと歓迎の意味を盛り込んだ」と明らかにした。
軽い歓談の後、両首脳は2階に設けられた首脳会談場に足を運ぶ。会談場内は伝統家屋を連想させる。今月6日から20日まで補修工事を行い、室内に広い板の間風のインテリアを施した。両側壁面には伝統格子を設置して落ち着いた雰囲気を加えた。伝統格子は、釘や接着剤を使用せず堀った溝に沿って互いを差し込む方法で作られるが、大統領府は「南北の堅固な信頼関係が伝統格子のように長く続くことを願う意味」だと説明した。
会談場は青を基調にしている。会談場の床には青い色のカーペットが敷かれている。壁には、横681センチメートル、縦181センチメートルの大型の金剛山の絵がかかっている。平和の家の内部工事をする前までは漢拏山(ハルラサン)の絵が掛かっていた。「金剛山作家」と呼ばれるシン・ジャンシク画伯の「上八潭(サンパルダム)から見た金剛山」という作品だ。
両首脳が対座して朝鮮半島の非核化と平和を論議するテーブルは楕円形だ。過去2回の首脳会談で両国首脳が対座した長方形のテーブルより、両首脳の距離が近づく。今回の会談のために新しく作ったこのテーブルの大きさは、横5400ミリメートル、縦2018ミリメートルだ。この2018ミリメートルは今回の首脳会談が開かれる2018年を意味する。中央に置かれた両首脳の椅子は、他の椅子より約40センチメートルほど背もたれが高い。背もたれの上部には朝鮮半島の地図模様が刻まれている。コ・ミンジョン大統領府副報道官は「休戦ラインという物理的な境界と分断70年という心理的な距離感を減らし、(双方が)座って虚心坦懐な対話を交わすことができるように設計された」とし、「全体的なテーブルの形は宮殿の橋脚の欄干の形をモチーフにし、二つの橋が一つになる姿で製作された」と話した。
夕方頃会談を終えた両首脳は、3階に設けられた公式晩餐会場に入る。部屋の色は爽やかなグリーンだ。カーペットもカーテンもグリーンだ。大統領府は「熟した4月の晩春の青麦畑を、南北が手を取り合って共に歩くように、平和で一つになっていくことを表現した」と述べた。ここで両首脳は平壌の玉流館の首席シェフが板門閣で用意した冷麺と文大統領の故郷の食べ物であるマトウダイ焼き、金委員長がスイス留学時代に好んで食べていたというレシュティ(スイス式ジャガイモ焼き)を一緒に食べる。晩餐酒である杜鵑酒とムンベ酒で乾杯する場面も予想される。雰囲気は熟して南北首脳が一堂に集まった春の夜も更けて行く。