本文に移動

不法滞在の経歴ある外国人の父の「強制出国」を防いだ国民権益委

登録:2018-04-24 08:45 修正:2018-04-24 16:56
写真「ハンギョレ21」//ハンギョレ新聞社

 韓国に暮らして結婚し子どもも持ったある外国人の父親を強制出国させようとする出入国管理事務所の決定を国民権益委員会が覆した。国民権益委員会(委員長パク・ウンジョン)所属の中央行政審判委員会(以下、中央行審委)は、未成年の娘が外国に住んでいるとしても、外国人の父親の経済活動基盤が韓国なら、父親が子育てなど経済的支援のために韓国に留まり仕事ができるようにしなければならないという行政審判結果を23日に発表した。

 1996年に3カ月の滞在許可を受けて韓国に来たパキスタン人男性のAさんは、滞在期間が過ぎた後も韓国に不法に留まり、韓国人女性のBさんと結婚し、2006年に娘が生まれた。娘が生まれたその年、Aさんは不法滞在者の身分から脱して家族と一緒に堂々と暮らしたいという思いから、出入国管理事務所に申告した。しかし、当局は彼に強制出国命令を下した。彼の長年の不法滞在の経歴のためだった。Aさんは結局、妻と娘だけ韓国に置いたまま一人でパキスタンに戻らなければならなかった。

 まもなく妻のBさんは一人で子どもを育てるのが難しくなりパキスタンに娘を連れて来て、その時から現在まで娘はパキスタンに住んで父親のAさんの家族が世話をしながら暮らしている。父親のAさんは、娘をパキスタンに置いて2007年に結婚移民の滞在資格を受けて韓国に戻った後、10年間働いていた。昨年2月には在留期間延長を申請した。しかし、再び難関にぶつかった。ソウル出入国管理事務所が滞在期間延長申請を受け入れなかった。AさんがBさんと正常な婚姻生活をしておらず、娘はパキスタンにいるため彼が娘を養育するために韓国で暮らす必要はないというのが理由だった。

 しかし、中央行審委は出入国管理事務所とは異なる判断を下し、Aさんに対するソウル出入国管理事務所の滞在期間延長許可拒否処分を取り消した。中央行審委はAさんの娘が今はパキスタンに住んでいても韓国国籍を持っており、いつでも韓国に来る可能性があり、娘の養育責任がAさんにあり、Aさんが1996年から20年以上韓国で暮らし続け、パキスタンの現地には経済活動の基盤がないという点を理由に挙げた。中央行審委はお金を稼いで子どもに経済的支援をするためにもAさんが韓国に滞在する必要がある点を考慮し、強制出国命令処分を取り消したと明らかにした。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/administration/841669.html韓国語原文入力::2018-04-23 17:13
訳M.C

関連記事