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[ルポ]東京の「独島展示館」に行ってみると…「竹島は日本領土」主張

登録:2018-01-25 23:55 修正:2018-01-26 06:37
25日、東京千代田区の市政会館地下1階に開館した「領土・主権展示館」で竹島(独島の日本名)は日本の領土だと書かれたパネルを人々が観覧している=東京/チョ・ギウォン特派員

 「皆さん、竹島(独島の日本名)についてご存じですか?17世紀、江戸幕府が(日本の漁師に)アシカの捕獲許可などを通して領有権を確立しました。1905年、日本政府は閣議決定を通じて領有権を再確認しました」

 25日、日本政府が東京に開館した「領土・主権展示館」に入ると、独島(ドクト)は日本の領土だと主張する映像が展示館に設置されたテレビを通じて流れていた。「領土・主権展示館」は、独島と尖閣諸島(中国名は釣魚島)が日本の領土だと主張する内容を宣伝する展示館だ。日本政府が「独島は日本の領土」と主張する内容の常設展示館を開いたのは、ここが初めてだ。「領土・主権展示館」が入っている市政会館は、東京都心の千代田区日比谷公園内にある。日比谷公園は、外国人観光客も多数観光に訪れる所で、近隣には天皇の住居である「皇居」や日本の小中高生が修学旅行などでしばしば見学にくる国会議事堂がある。

 内閣官房領土・主権対策企画調整室のある企画官は「以前は一日展示をするようにイベント形式ではしてきたが常設の展示館はなかった」として「いろいろな所から常設展示館を作ってほしいという要請があって、昨年政府予算の配分を受けて開館することになった」と説明した。彼は「“北方領土”(千島列島南端の島々を日本が呼ぶ名称)については北海道に展示館があるが、竹島問題については政府の常設展示館はなかった」と話した。

 展示館の面積は100平方メートルで、中国との領有権紛争がある尖閣諸島(釣魚島)と独島関連内容が大部分で、一部“北方領土”の内容も展示されている。「なぜ竹島は日本の領土なのか。竹島問題10のポイント」のような題名の宣伝パンフレットも積まれていた。このパンフレットには「在日米軍が独島を爆撃訓練区域に指定し、アン・ヨンボクについては朝鮮を代表する人物でもなく、彼がした話は事実ではない」のように、韓国の独島主権根拠に反論する内容が記されていた。

25日、東京千代田区の市政会館地下1階に開館した「領土・主権展示館」の入口に設置されたテレビで、竹島は日本の領土だと主張する内容の映像が流れている=東京/チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 独島展示が始まる所には、独島の写真と共に、日本語で「竹島」そしてハングルでも隣に小さな文字で「タケシマ」と書かれていた。写真には「竹島は歴史的事実に照らしてみても国際法上明確に日本の領土だ」と書かれていた。そばには島根県の人が独島に行くことを江戸幕府から許諾された証明書があるとして写真を展示していた。独島を「竹島」と表記したという1846年に日本が作った古地図も展示されていた。

 現在の独島問題の出発点になった戦後処理問題については、「戦後、日本の領土処理に対するサンフランシスコ平和条約締結当時、韓国は米国に対し日本が放棄しなければならない地域に竹島を入れることを要請したが、米国が拒否した」とパネルを通じて展示している。この主張は、いわゆる「ラスク書簡」に関する内容だ。ディーン・ラスク米国務省極東担当次官補は、1951年日本とサンフランシスコ講和条約を締結する一カ月ほど前に、駐米韓国大使に「独島、別名竹島、あるいはリアンクール岩礁と呼ばれるその島について、我々の情報によれば、通常人が居住しないこの岩礁は、韓国の一部として扱われたことがない」と書いた書簡を送った。サンフランシスコ講和条約には、済州島(チェジュド)、巨文島(コムンド)、鬱陵島(ウルルンド)が日本の領土から排除されるという内容だけが盛り込まれた。米国はその後、曖昧な中立的立場を強調し、日本と韓国が二者会談を通じて問題を解決しろと投げ出した。

 展示には、1877年明治時代に日本の最高行政機関だった太政官が江戸幕府と朝鮮政府間の交渉(鬱陵島爭界)の結果「竹島外一島(一嶋・独島)は、日本と関係ないということを肝に銘じること」を内務省に指示する「太政官指令」など日本側に決定的に不利な史料は展示していない。展示の最後の部分には「日本は法と対話による解決を目指している」として、韓国が我を張っているというニュアンスのパネルを展示していた。

 展示を見た21歳の大学生、ツクイ・ユキ氏は「インターネットに関連記事が載ったのを見て訪ねてきた。韓国は領土問題について熱心に主張しているようだが、日本はそうではないと感じだ。互いに主張することは明確に主張した方が良いと思う」と話した。展示場を訪れた人々の中には「韓国が誤った主張をしている」と声を高める人もいた。

25日、東京千代田区の市政会館地下1階に開館した「領土・主権展示館」で、日本は独島問題を法と対話で解決することを指向しているという内容のパネルが展示されている=東京/チョ・ギウォン特派員

 展示の内容自体は、日本がこれまでしてきた主張を繰り返しているだけで、特に新しい内容はなかった。だが、日本が2012年の李明博(イ・ミョンバク)元大統領の独島訪問以後、日本が攻勢的に展開している独島領有権主張が最近一層強化されていると見えた。河野太郎外相は22日、定期国会招集時にした外交演説で「日本固有の領土である竹島に対して、日本の主張をはっきりと伝え、粘り強く対応する」と話し、日本のさらなる攻勢を予告した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/829380.html韓国語原文入力:2018-01-25 20:37
訳J.S

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