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大統領府「朝鮮半島の新たな局面に向けたシグナル」…南北接触始める見込み

登録:2018-01-02 05:55 修正:2018-01-02 08:14
文在寅大統領が今月1日「2017年を輝かせた義人」6人と共に北漢山を登り、紗帽岩で新年初日の出を眺めている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 大統領府は1日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が新年の辞を通じて、平昌(ピョンチャン)冬季五輪に代表団を派遣する意向を明らかにすると共に、南北当局間接触を提案したことについて、「歓迎する」と明らかにした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年6月、茂朱(ムジュ)世界テコンドー選手権大会の祝辞を皮切りに、7月のドイツ・ベルリン宣言と9月の国連総会演説、12月の米NBC放送とのインタビューなどで、平昌五輪への北朝鮮の参加を提案してきたが、金委員長が同日初めてこれに応えたことで、文大統領の「平和五輪」構想に弾みがつくことになった。

 大統領府のパク・スヒョン報道官は同日午後の定例会見で、「平昌五輪が平和五輪として成功裏に開催されれば、朝鮮半島と北東アジア、ひいては世界の平和と和合にも貢献できるだろう」と歓迎の意を示した。パク報道官は「大統領府はこれまで、南北関係の復元と朝鮮半島の平和と関連した事案なら、時期や場所、形式などに関わらず、北朝鮮と対話する用意があることを明らかにしてきた」としたうえで、「大統領府は、南北がともに国際社会と緊密に協力して北朝鮮の核問題を平和的に解決する一方で、朝鮮半島問題の直の当事者として責任を持って向かい合うことで、朝鮮半島の緊張緩和と平和定着の解決策を見出していくことを望んでいる」と明らかにした。

 このような大統領府の公式の立場は、金委員長の新年の辞の発表が終わってから6時間後の午後4時に発表された。文大統領を含め、大統領府の主要人物が集まって、金委員長の新年の辞に盛り込まれた主要内容を綿密に分析したうえで、いかなるレベルの立場を示すかについて踏み込んだ議論を行った結果だ。大統領府は米国など周辺国とも外交チャンネルを稼動して協議したという。大統領府関係者は記者団に「大統領府の論評は、文大統領が最終確認した。重要なのは、(南北関係や北朝鮮核・ミサイル問題などで)新しい局面が始まったシグナルということだ」としたうえで、「この程度の事案はいつも(米国側と)有機的な協力の中で立場を発表する」と話した。

 同日、大統領府の短い論評は全般的に“慎重な歓迎”ムードのものだが、目を引くところもある。最後の「朝鮮半島問題の直接当事者として南北が責任を持って向かい合うことで、朝鮮半島の緊張緩和と平和定着の解決策を見出していくことを望んでいる」とした部分だ。金委員長の新年の辞に盛り込まれており、北朝鮮が主張し続けてきた「わが民族同士」に照応する表現だ。今後行われる南北間実務接触や当局者会談などに肯定的に作用する可能性が高い。

 平昌五輪への北朝鮮代表団の派遣などに向けた南北当局間接触は、統一部と文化体育観光部などを中心に迅速に進められるものとみられる。五輪の日程(2月9~25日)を考慮すれば、追加参加申請の期限である今月29日までに代表団の派遣と関連した実務協議の手続きを終了しなければならない。大統領府関係者は「局面が大きく変わる時期であるため、これからはきめ細やかな管理が重要だ。平昌五輪を契機に対話を始めるが、前政権から断絶された南北関係を復元する政治会談の側面が強い」とし、「南北間の疎通チャンネルを復元し、板門店(パンムンジョム)で当局間接触が始まれば、加速化も期待できる」と話した。

 平昌五輪への北朝鮮の参加をきっかけに、南北当局が対話を開始し、北朝鮮が追加挑発を自制した場合、平昌五輪とパラリンピックを前後に韓米軍事演習が延期されるか、縮小される可能性もある。文大統領がNBCとのインタビューで可能性を示唆した「韓米合同軍事演習の延期」と関連し、大統領府関係者は「立場の発表の時期が差し迫っている」としたうえで、「北朝鮮のシグナルに変化があるならば、当然それに対応するシグナルがあるべきではないか。近日中に韓米からも良いシグナルが続くことを望んでいる」と話した。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/825899.html韓国語原文入力:2018-01-01 21:36
訳H.J

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