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安保理、「北朝鮮の外貨出稼ぎ労働者を24カ月以内に送還せよ」

登録:2017-12-24 21:49 修正:2017-12-25 07:36
ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使(左)と呉海濤・中国次席大使(右側)が22日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた北朝鮮ミサイル挑発関連安全保障理事会の開会に先立ち話を交わしている/聯合ニュース

 国連安全保障理事会が22日(現地時間)、北朝鮮の先月末の「火星-15」型大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に対し、新しい対北朝鮮制裁決議案2397号を全員一致で採択した。今年に入って4回目の国連制裁の内容は、北朝鮮に対する石油製品供給量の追加制限と北朝鮮海外派遣労働者の送還などに圧縮できる。しかし、今回の制裁が北朝鮮の経済に一定程度の打撃は与えるだろうが、北朝鮮の態度を変えるには限界があると見られている。

 制裁の内容を見れば、北朝鮮に供給できる精製油製品は毎年50万バレルに制限される。国連安保理は今年9月、北朝鮮の6回目の核実験に対する制裁決議2375号で、北朝鮮に対する精製油製品の供給を年間450万バレルから200万バレルに減らした。二度の決議を通じて精製油製品の供給が90%近く減らされたことになる。

 また北朝鮮に対する原油の供給量は、初めて上限が年間400万バレルと明示された。9月に採択された制裁では「現水準凍結」だったが、今回は数値で具体化した。この数値は、北朝鮮の原油供給量が年間400万バレルと推定される現実に照らせば、直ちに制裁の効果を期待できる水準ではない。しかし、数値を明示したこと自体が、北朝鮮が再び核実験やミサイル発射を敢行する場合、原油供給の縮小を追加制裁に含めるという信号と解釈される。

 今回の決議は、国連加盟国に対し自国で仕事をする北朝鮮の海外派遣労働者を全員24カ月以内に北朝鮮に送還することを義務化した。海外派遣労働者を通した北朝鮮の外貨獲得を遮断するための措置だ。当初、米中間の交渉では「12カ月以内」で合意したが、終盤になってロシアの異議提起により期間が延びたという。既存の制裁では、新規雇用と滞留延長のみが禁止された。今回の決議で5~10万人水準と推定される北朝鮮労働者の海外派遣中断時点が2019年末に多少前倒しされることになった。ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使は「北朝鮮の海外派遣労働者は毎年5億ドル程度の収入源」と述べた。

 この他に、海上遮断を強化し、制裁違反が疑われる入港船舶の抑留、検索、資産凍結を義務化した。また、産業機械、運搬手段、鉄鋼などの対北朝鮮輸出を遮断し▽北朝鮮への輸出禁止品目を食糧品・農産品・機械類・電子機器・土石類・木材類・船舶に拡大し▽水産物の「操業権取引禁止」を明文化した。労働党軍需工業部のリ・ビョンチョル第1部部長など16人と、人民武力省も新たに制裁名簿に上げた。

 しかし、今回の制裁が直ちに北朝鮮経済にどれほどの打撃になるかは速断し難い。キム・ヨンヒョン東国大教授は「原油にほとんど手を付けなかったために、短期的には耐えられる制裁」と評価し、チョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は「北朝鮮に石炭液化技術がある。石炭液化に変えれば、さほど大きな打撃になるとは思われない」と分析した。コ・ユファン東国大教授は「経済に影響はあるだろうが、自給自足で持ちこたえてゆくだろう」と見通し、国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル首席研究委員は「相当な打撃が予想されるが、体制崩壊にはならない。態度が変わることもないだろう」と見通した。

パク・ビョンス、ノ・ジウォン記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/824900.html韓国語原文入力:2017-12-24 18:11
訳J.S

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