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[ニュース分析]韓米、平昌五輪時の軍事演習延期で意見接近…北朝鮮の態度がカギ

登録:2017-12-20 23:58 修正:2017-12-21 08:43

文大統領による「米国に延期要請」の翌日に
韓米連合軍司令部、公式立場を示し進展を暗示
「平昌の成功を支援…同盟の決定に従う」
大統領府「米国と相当な合意」表わす

北朝鮮が追加挑発すれば“水の泡”
韓国政府「縮小・中断は検討の対象ではない」
「五輪期間に限定」拡大解釈に線を引く

レックス・ティラーソン米国務長官が19日、カナダ・オンタリオ州のオタワ国会議事堂でカナダのクリスティア・フリーランド外相と会い、北朝鮮核問題の解決法を議論している=オタワ/ロイター聯合ニュース

 来年平昌(ピョンチャン)で開かれる冬季五輪(2月9~25日)とパラリンピック(3月9~18日)を控えて、韓米合同軍事演習延期のための協議が急流に乗っている。韓米間の公式決定が近いと見られる。

 韓米連合軍司令部は20日、韓米合同軍事演習の延期問題と関連して、「私たちは平昌五輪の成功的開催を望み、そのための支援を惜しまないことを同盟国に約束した」として「私たちは韓米同盟の同盟国として、合同演習と関連して同盟の決定に従うことを確認し、こうした決定を適切な時期に発表する」と公式立場を明らかにした。韓米連合軍司令部が発表した立場には、韓米合同軍事演習を延期するか否かに対する直接的言及はない。しかし、この問題について「決定されていない」という返事を繰り返してきた韓米連合軍司令部が、公式立場を出したこと自体が議論の進展を暗示するものと解釈できる。

 内容も比較的前向きだ。連合司令部の立場を要約すれば、平昌五輪の成功を支援する▽演習日程は韓米同盟次元で決める▽決定されれば適切な時期に発表するということに整理される。事実上、同盟国として韓国の立場を配慮するという意思表示と解説される。さらに、韓米連合軍司令部の立場発表は、前日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米国のNBCとのインタビューで「韓米合同演習を平昌冬季五輪の後に延期することを米国に提案し、米国はこれを検討している」と公開的に明らかにしてから一日も経たずに出された。連合司令部の立場表明が、文大統領の発言に答える形式を帯びることになったわけだ。

 文大統領の前日の発言や、韓米連合司令部の立場表明からわかるように、来春の韓米合同演習延期が確定したわけではない。しかし、これまで韓米合同演習の延期について慎重な態度を見せてきた両国が「延期の可能性」を公開的に口にし始めたこと自体が、延期の可能性が高いという事実を示していると見られる。これに伴い、通常毎年2~4月に行われてきた「キーリゾルブ演習・トクスリ(鷲)演習」は、平昌五輪とパラリンピック以後に実施される可能性が高まった。大統領府の主要な関係者は、春秋館で記者団に会い、韓米軍事演習の延期について「韓米間で十分に議論していて、米国も十分に検討するに値すると見ている」として「文大統領もあらゆる事を十分に考慮して話をした」と述べた。また、レックス・ティラーソン米国務長官が「韓米合同演習の延期と関連した話は聞いていない」と話したという報道に対しては、「韓米合同演習延期問題の疎通チャンネルは、韓米軍事当局」だと応酬した。両国間でこの問題に対して相当な水準の協議と合意がなされたことを示唆したのだ。この主要な関係者は、今回の議論はチョン・ウィヨン国家安保室長とホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官間の“ホットライン”を通じてなされたのかを問う質問には「推測に任せる」として否定はしなかった。

 問題は残っている。何よりも北朝鮮の態度がカギになる。北朝鮮が先月末「国家核兵力完成」を宣言した以後、今後どのように出てくるかは速断しにくい状況だ。政府が平和五輪の意志を表明する背景には、どうにかして北朝鮮を対話に引き込む契機を捉えたいという意思が含まれている。したがって、北朝鮮の呼応が必須だ。北朝鮮が追加挑発で応えれば、軍事演習の延期はまったく意味がなくなる。大統領府の主要関係者も「北朝鮮が挑発すれば演習の延期検討は白紙化されるのか」という質問に「当然連動せざるをえない」と答えた。

 それでも政府は、韓米合同演習の延期が訓練の縮小や中断と解釈されることを警戒している。大統領府関係者は「文大統領は、平昌五輪期間中の韓米軍事演習の延期を言っている」とし「韓米合同軍事演習の縮小は検討対象ではない」と線を引いた。

パク・ビョンス先任記者、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/824421.html韓国語原文入力:2017-12-20 20:00
訳J.S

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