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北米アイスホッケーリーグ不参加に続きロシアまで…平昌五輪の興行の行方

登録:2017-12-07 08:42 修正:2017-12-07 09:05
トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長(左)とサミュエル・シュミットIOC調査委員長が5日、スイス・ローザンヌで理事会を終えた後、政府がドーピングを主導したロシアに対し平昌冬季五輪への出場を禁止することにしたと発表している=ローザンヌ/EPA聯合ニュース

 平昌冬季五輪(2018年2月9~25日)が、ロシアの国家ドーピング懲戒により直撃を受けた。冬季スポーツの「スーパーパワー」であるロシアが、個人資格の出場を拒否して平昌五輪をボイコットするなら、すでに北米アイスホッケーリーグ(NHL)の不参加宣言で打撃を受けた平昌五輪は興行と内容で大きく萎縮するのを避けられない。

 イ・ヒボム平昌五輪組織委員会委員長は6日、「ロシア選手団が旗を掲げて参加するのが最善だが、IOCの決定に反対する力はない」と述べた。組織委員会としては、ロシアの今後の行動を見守るしかない立場だ。

 ロシアは冬季五輪の強国だ。米国のニューヨークタイムズはこの日、来年の平昌五輪での102の種目のうち、ロシアが3分の1ほどの32種目でメダルを取れる選手を抱えていると報道した。フィギュア女子シングル、バイアスロン男子リレー、クロスカントリー男子スプリント団体戦、男子スキーアスロンの4種目は金メダル候補種目だ。このほか、クロスカントリーの大半の種目と男子アイスホッケーなどがメダル圏に選ばれた。2014ソチ五輪では金メダル13個など33個のメダルを獲得した。

 もしロシアが不参加であれば、ファンたちはロシアの選手らの優れた技量を見ることができない。ロシアだけでなく、かつてソビエト連邦に編入された東欧国家でもロシア選手が出場しない五輪に対する関心は薄れるだろう。大韓アイスホッケー協会の関係者は「ロシアのアイスホッケー代表チームは江陵(カンヌン)のホテルに30~40室を予約し、チケットもたくさん購入した。ロシアが出場しなければ観衆動員にも影響を及ぼすだろう」と憂慮した。

 ロシアはIOCの決定について国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する考えを示し、12日には平昌五輪に個人の資格で選手たちを送るかどうかを決定する予定だ。しかし、五輪が付いたユニホームを着てロシア国旗も国歌演奏もなく、メダルを取っても「ロシア出身の五輪選手」チームの記録として認められる五輪に参加するということに何の意味があるのかという反応が出ている。

 ロシア国営放送(VGTRK)は、ロシアが参加しなければ「平昌冬季五輪を中継しない」と発表した。ロシアの国会であるドゥーマでも立場表明を準備しており、政界でも冷戦時代以降IOCによって「ハイブリッド戦争」が始まったという反応が出ている。ロシアのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には、ロシアなくして五輪なしという意味の「#No Russia, No Games」のハッシュタグをつけた掲示物が掲載されている。

 IOCは、ドーピング調査費用など1500万ドルの罰金を納付し、ドーピング検査などの手続きを通じて個人出場資格を得た選手たちを平昌五輪に送るなど、IOCが提示した条件を遵守するならば閉幕日にロシア選手らが国旗を持って入場できるようにした。だが、大会期間中は国籍がないまま試合をしなければならないロシアの立場では、依然として不快にならずにはいられないだろう。

 もちろん、ロシアのドーピング選手のメダル剥奪で遅れてソチ五輪のメダルを受け取ることになった次順位の選手らは、IOCの決定を歓迎している。ソチ五輪の男子ボブスレー4人乗りで5位だったが、銅メダルを引き継いだ英国のスチュアート・ベンソンは、外信で「IOCの制裁はロシアとロシア政府に矛先を向けた懲戒だ。ドーピングに加わらなかったロシア選手たちを罰しはしなかった」とし、バランスの取れた処罰だと評した。

 ロシアでも「一生懸命準備してきた選手が平昌で実力を競えるようにすべきだ」という指摘が一部出ている。しかし、日刊紙「イズベスチヤ」はこの日、「スポーツは終わった。なぜロシアは五輪から排除されたのか?」という記事で不満を表した。12日、ロシア五輪委員会がボイコットを決定するかどうかは、ウラジーミル・プーチン大統領の意中によってなされるものと思われる。

キム・チャングム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/822383.html韓国語原文入力:2017-12-06 21:51
訳M.C

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