文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8日、在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)発射台4基の配備を前日に強行したことについて、「現状況で韓国政府にできる最善の措置だと判断した」としたうえで、「この点について国民の皆様の了解を求める」と述べた。
前日夜、ロシア訪問を終えて帰国した文大統領は同日午後8時50分にこのような内容を込めた「THAAD配備に関する大統領の立場」を書面で発表した。海外歴訪中、電撃的にTHAAD1個砲台の配備を完了したことに対し、批判世論が高まっていることを受け、直接的な立場表明に乗り出したのだ。
文大統領は「北朝鮮は韓国政府と国際社会の一致した要求と警告を黙殺し、弾道ミサイル発射を繰り返してきたことに加え、6回目の核実験まで強行した」とし、「朝鮮半島で戦争を防ぎ、国民の生命と安全を守るためには、THAADの臨時配備をこれ以上先送りできないという結論に至った」と明らかにした。文大統領はTHAAD配備について「あらかじめ予告したことでもある」としたうえで、「北朝鮮が核とミサイルを高度化していく状況の中で、防御能力を最大限に高めていかざるを得ない」と述べた。
また、文大統領は「過去とは異なり、政府が平和的な集会管理のために最大限努力したにもかかわらず、この過程で発生した市民と警察官の負傷を大統領として非常に残念に思う」としたうえで、「負傷したり精神的に傷つけられた方々の早期全快を祈ると共に、適切な措置を取る」と約束した。また、「政府は現地住民たちの健康と環境に対する憂慮を尊重する」とし、「小規模環境影響評価(アセスメント)の結果に対する公開的かつ科学的な追加検証を要請するなら、いつでも応じたい」と明らかにした。
文大統領は特に「今回のTHAAD配備は安保の厳しさと至急性を考慮した臨時配備」と強調し、「最終的に配備するかどうかは、何度も約束した通り、より厳格な一般環境影響評価を実施してから決定する」と述べた。文大統領は「THAADの臨時配備で影響を受けることになった地域住民の不便と憂慮が最小化できるよう、政府が最善を尽くす」とし、「聖地の保存を求める円仏教側の要求についても最善を尽くす」と明らかにした。
文大統領は「韓国が直面した安保状況は非常に厳しい。政府はいかなる状況でも、国民が期待する政府の責任を全うするつもり」だとしたうえで、「国民の皆様にも政府の意志と努力を信じて力を合わせてくださるよう要請する」と話した。
これに先立ち、同日午後3時45分に大統領府関係者は春秋館で記者団に「THAAD配備の強行について、文大統領が直接立場を表明する計画があるか」という質問に対し、「検討しているが、いつ発表されるかはまだ分からない」と答えた。文大統領の立場はそれから5時間後に発表された。