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検察、「全斗煥回顧録」の印税回収に乗り出す

登録:2017-08-11 23:11 修正:2017-08-12 07:11
今年4月、全斗煥回顧録の出版に対し、光州5・18記念財団の舎廊房で5・18記念財団と5月3団体(遺族会・負傷者会・拘束負傷者会)の代表らが対応策を報告している/聯合ニュース

 検察が全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の未納追徴金を還収するため、最近発売した回顧録の印税の確保に乗り出した。

 ソウル中央地検外事部(部長カン・ジシク)は11日、全元大統領の回顧録出版によって出版社から受け取った印税を差し押さえるため、前日裁判所に差押え及び取立て命令の申請を受け付けたと明らかにした。 裁判所がこれを受け入れれば、全元大統領が回顧録の販売で受け取ることになる印税は追徴され、国庫に還収される。

 検察が今回差押えを申請した全斗煥回顧録『混沌の時代』は、4月に出版された。全元大統領はこの回顧録で「5・18(光州事件)は、北朝鮮軍が介入した反乱であり暴動」、「戒厳軍は死の前に追い込まれる直前まで決して市民に銃を向けなかった」などの歪曲された主張を書いた。これに対して5・18記念財団などは全元大統領と息子のジェグク氏を相手に「全斗煥回顧録」出版と配布禁止仮処分申請を提出し、裁判所はこれを受け入れ、流通が中断された状態だ。 裁判部は5・18の歪曲内容の削除なしに回顧録を出版・発行・印刷・複製・販売・配布・広告することを禁止し、これを違反すれば仮処分申請人に1回当たり500万ウォン(約50万円)ずつ支払うよう命じた経緯がある。

 これに先立ち、検察は1996年12月に全元大統領が特定犯罪加重処罰法上賄賂罪などで追徴金2205億ウォン(約220億円)の判決が言い渡された後、翌年4月に最高裁判所で刑が確定したことを受け、追徴金の徴収に乗り出した。2013年8月「公務員犯罪に関する没収特例法」改正案が施行され、検察は外事部を中心とした特別回収チームを立ち上げ、米国法務部と協力するなど、全元大統領一家の隠匿財産に対する追跡を進めている。これまで返還した追徴金は全体の追徴賦課額の52.22%である1151億ウォンだ。

「全斗煥回顧録」//ハンギョレ新聞社

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/806471.html 韓国語原文入力:2017-08-11 16:04
訳M.C(1074字)

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