米国、インド、日本がインド洋で航空母艦2隻などが参加する歴代最大規模の合同軍事演習を開始した。3カ国は今回の訓練を通じ、中国の海洋進出を牽制するというシグナルを送っている。
3カ国の海軍は10日、インド南部の港町チェンナイと近隣のインド洋海上で「マラバール」訓練を開始した。今回の演習に参加するため、世界最大の空母の米海軍ニミッツとインド唯一の空母ビクラマーディティヤ、日本の海上自衛隊最大の戦艦であり、空母級の護衛艦であるいずもが集結した。戦艦16隻、潜水艦2隻、戦闘機など航空機95機が参加し、1992年にマラバール訓練が始まって以来最大規模だ。日本の海上自衛隊が今回の訓練に派遣した人員も700人と過去最大だと朝日新聞などが伝えた。日本は2007年にこの訓練に初参加し、2014年からは毎年参加してきたが、昨年、定期的に参加すると公式に宣言した。
米国はこの日声明を通じて、マラバール訓練が「インド洋とアジア太平洋地域の海洋安保に対する共通の脅威に対処するため規模を拡大してきた」と明らかにした。インド政府は「演習の目的は3国の海軍の相互協力を増進するためのもの」と明らかにした。米国やインドの政府が“中国牽制”を明示してはいないが、実際の目的は中国を狙っているというのが大方の解釈だ。「タイムズ・オブ・インディア」は匿名を要求した米海軍指揮官が「今回の演習が中国にショックとなるだろう」と話したと伝えた。
インド海軍は、今年の訓練は空母の運用と対潜水艦演習に集中すると明らかにした。対潜水艦作戦は、中国の潜水艦を念頭に置いたものとみられる。中国の潜水艦は2014年、スリランカ港に留まったことがあり、2015年にはパキスタンの港に入港した。インドのメディアは最近数カ月間、インド洋で潜水艦を含む中国の軍艦10隻余りが目撃されたと報道した。日本が派遣した空母級護衛艦いずもは、対潜水艦ヘリコプター9機を同時に飛ばすことができる。日本は昨年のマラバール訓練ではヘリコプター4機が同時に離着陸できる護衛艦「ひゅうが」を送ったが、今年はクラスをさらに上げた。日本の防衛省幹部は「日本の本気を見せるためにはいずもが適任」と話したと朝日新聞は伝えた。
日本は中東からインド洋を経て日本につながる海上交通路である「シーレーン」(Sea Lane)を確保するために、インドとの軍事協力が重要だと見ている。日本の安倍晋三首相は7日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議でインドのナレンドラ・モディ首相と会い「マラバール演習は日本とインド防衛協力の象徴」と話した。
中国も警戒心を隠さなかった。官営「チャイナ・デイリー」は10日付の社説で「インド、アメリカ、日本が歴代最大規模でマラバール訓練を行っている。米国がインドに20億ドル規模のドローン輸出を許容したことを考慮すれば、中国がむしろ安保の脅威を感じる」と主張した。
中国は昨年、マラバール訓練が南シナ海で行われた後、日本の鹿児島県周辺の海上に自国の軍艦を通過させる“示威”を行った。当時、中国は軍艦通過の理由として「航行の自由」を挙げた。米国などが南シナ海で訓練を行うにあたり中国に向けて主張する名分と同じだ。