文在寅(ムン・ジェイン)大統領がドナルド・トランプ米大統領との首脳会談に向けて、今月28日から4日間の日程で米国を訪問すると大統領府が13日明らかにした。就任から2カ月も経たないうちに米国を訪問するのは、北朝鮮の核・ミサイルなどの安保懸案について、韓米同盟を再確認し、協力を強化することが急務だとの判断によるものと見られる。
文大統領はトランプ大統領の招請で今月29~30日の2日間にわたり、ホワイトハウスで歓迎晩餐会と首脳会談、共同記者会見などの公式日程を消化する予定だと、大統領府のパク・スヒョン報道官が発表した。首脳会談の議題と関連し、パク報道官は「韓米同盟をさらに発展させるための協力の方向や北朝鮮核問題の根源的な解決に向けた共同案、朝鮮半島における平和の実現、実質的な経済協力およびグローバル協力の増進などについて、意見を交換することになるだろう」と伝えた。
大統領府は具体的な言及を避けているものの、今回の首脳会談では、トランプ政権の最大の関心事である韓米自由貿易協定(FTA)再交渉と、両国間の緊急懸案に浮上したTHAAD(高高度防衛ミサイル)の国内配備問題も話し合われるものとみられる。大統領府関係者は「首脳会談の特性上、具体的な懸案を指摘するよりも包括的テーマで会談の議題を決めるのが一般的」だとし、「実際、会談ではTHAAD問題や韓米FTA問題を取り挙げざるを得ないだろう」と話した。
これと関連し、米国のニューヨーク・タイムズ紙が、THAAD配備をめぐる最近の議論について、文大統領の立場を尊重すべきだとトランプ大統領に要請し、注目を集めている。同紙は12日(現地時間)「大国の板ばさみになった韓国」という題名の社説で「文大統領は、隣の独裁者の実質的な脅威に直面している状況で、両大国である米国と中国から挟み撃ちされている」とし、「トランプ大統領は米国を訪問した文大統領の微妙な立場を尊重し、THAAD問題で(文大統領を)強く追及しない方が賢明だ」と助言した。
一方、文大統領は同日、ソウル龍山(ヨンサン)にある韓米連合司令部を訪問し、韓米同盟の重要性と北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する連合防衛体制の確立を強調した。就任後初めて連合司令部を訪れた文大統領は、「韓米同盟は朝鮮戦争以来60年以上、北朝鮮の侵略を成功的に抑制してきたのはもとより、朝鮮半島の平和と安定を維持し、大韓民国が享受している民主主義と経済成長の礎となった」と評価した。文大統領はさらに、今月8日に行われた北朝鮮の地対艦巡航ミサイル試験発射直後、国家安全保障会議(NSC)を直接主宰した事実を言及し、「北朝鮮の通常(兵器による)挑発だけでなく、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑制防衛態勢を確実に構築すべきだ」と述べた。
文大統領のこのような発言は、最近THAAD敷地に対する環境アセスメント(影響評価)の指示などで在韓米軍が強く要求してきた「THAAD年内配備」が物理的に厳しくなった状況で行われた点で、注目される。同盟関係の重要性を強調し、北朝鮮の核・ミサイルについて積極的に対応する意向を示すことで、THAAD配備の合意に対する新政府の履行意志を疑う在韓米軍側を安心させるためと見られる。文大統領は10日に議政府(ウィジョンブ)体育館で開かれた米2師団創設100周年記念コンサートが、行事に対する否定的世論に圧迫を感じた出演者の参加拒否で当初の予定通り行われなかったことと関連し、遺憾を表明したと、ユン・ヨンチャン大統領府国民疎通首席秘書官が伝えた。