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中国による韓国旅行商品販売禁止初日、業界はため息と心配ばかり

登録:2017-03-15 23:42 修正:2017-03-16 07:23
15日、済州市蓮洞の宝健通りが閑散としている。中国国家旅遊局はこの日からオン・オフラインでの韓国行き旅行商品の全面的販売中断を指示した。宝健通りは済州島が2011年に中国の宝健グループ職員1万1000人が訪問した以後、これを記念するために作られた//ハンギョレ新聞社

 15日午前11時、ソウル麻浦区(マポグ)城山洞(ソンサンドン)の事後免税店(tax refund shop)通り。中国人団体観光客の大型バスははっきり減っていた。普段は5台以上が停まっていた路上には1台だけが停車していた。中国当局がTHAAD配備に対する報復として、この日から韓国旅行商品の販売を全面中断するよう指示をしたために、今後はその1台すら見るのが難しくなりかねない。ある事後免税店の駐車管理員のC氏は「団体観光客がさらに減れば首を切られるだろう」とため息を吐いた。団体旅行客が主に立ち寄る事後免税店は、全国に1万3982カ所ある。

 この日は中国消費者の日であり、中国関連販売高が多い企業は神経を尖らせていた。中国国内のロッテマート99店舗中の55店舗が営業停止にあったロッテグループの系列会社は、中国メディアおよび世論モニタリングをしながら緊張した一日を送った。ロッテグループの関係者はこの日午後「(消費者告発番組「3・15晩会」が放映される)中国官営の「中央テレビ」(CCTV)放送を注視している。どんな会社が出てくるかはまだ把握できていない」と話した。この番組のターゲットになる企業は、集中的な不買運動の対象になる。

 韓国の免税店業界は、韓国旅行商品販売禁止の影響が今週末を過ぎて明確になると見ている。ある市内の免税店関係者は「3月に入り中国人の売上比重が減っている」と話した。

 中国当局の制裁領域はますます拡大している。釜山港湾公社は、中国発のクルーズ船をこの日から韓国を経ずにまっすぐ日本に向かうようにするとの中国当局の措置が下されたと明らかにした。海洋水産部は済州(チェジュ)と釜山の中国発クルーズ船寄港計画が最近大量に取り消され、14日基準で中国人36万人の足が途絶えることになったと集計した。中国人搭乗客の急減に、韓国の航空会社は一カ月ほど中国路線の減便に入った。仁川(インチョン)では中国側の買い出し商人通関審査強化のために買い出し商人と彼らに商品を売る家電・化粧品・食料品商人の被害が発生している。

 韓国政府は15日、チュ・ヒョンファン産業通商資源部長官と中国市場依存度の高い10数社の企業関係者が参加した「韓中通商民官協議会」を開き、被害状況を点検した。出席企業らは「現地の韓国企業に対する中国当局の各種調査が連日増加していて、中国向け輸出品目に対する通関審査と検疫も強化されている」として憂慮を提起したという。韓国政府は業者名が知られれば、中国側の報復が懸念されるという理由で、会議の場所と出席企業名簿も公開しなかった。産業部は10日、中国商務部の韓中自由貿易協定(FTA)担当首席代表に書簡を送り、韓国団体旅行禁止措置に異議を提起したと明らかにした。

 一方、韓国政府は被害企業のために4千億ウォン(約400億円)規模の資金支援に乗り出すと明らかにした。中小企業庁が緊急経営安定資金の貸し出しを1250億ウォン(約125億円)に増やし、文化体育観光部が観光基金特別融資金を1200億ウォン(約120億円)に拡大し、金融委員会は2千億ウォン(約200億円)規模の政策資金新規貸し出し支援に乗り出すことを決めた。

イ・ジョンヨン、チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/786668.html 韓国語原文入力:2017-03-15 18:41
訳J.S(1608字)

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