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米国のミサイル専門家「THAADは同時多発弾道ミサイルの迎撃に限界」

登録:2017-03-09 00:06 修正:2017-03-09 07:13
6日夕、在韓米軍の烏山空軍基地でTHAAD(高高度防衛ミサイル)の迎撃ミサイル発射車両2台がC-17輸送機から下ろされている=在韓米軍司令部提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が同時多発弾道ミサイルを発射すれば、高高度防衛ミサイル(THAAD)だけでは迎撃に限界があるという指摘が出た。

 米航空宇宙研究機関エアロスペースのジョン・シーリング研究員は7日(現地時間)、ワシントンの北朝鮮専門メディア「38ノース」が主催した電話会議で、6日に北朝鮮が弾道ミサイル4発を同時発射する能力を見せたとし、このように明らかにした。

 シーリング研究員はTHAADの能力と関連して「仮に同一地点から北朝鮮が数発のミサイルを発射するならば、THAADがそれぞれのミサイルを区別することは難しい」と指摘した。彼はまた「複数カ所から同時に(ミサイルを)発射すれば、THAADレーダーが互いに他の角度にある目標物の間を高速で動かなければならない」として「THAADはそのような能力を備えてはいるものの制限的」と説明した。シーリング研究員は「北朝鮮の今回のミサイル発射を見れば、移動式発射台の間隔がとても狭く、すべて1,2秒間隔で発射された」として「北朝鮮はこれにより同一地点から同時にミサイルを発射する能力を示し、3~4発以上のミサイルを同時発射する能力もある」と話した。彼はまた「北朝鮮は遠く離れた複数カ所から同時に弾道ミサイルを発射する能力も持っている」として「北朝鮮が窮極的にどのような戦略を採択し、その戦略がどれくらい効果的かは分からない」と付け加えた。

 シーリング研究員は「(THAADと北朝鮮のミサイル戦術が)実際に戦闘で競うことになれば、THAADがよく調整された北朝鮮の奇襲攻撃を防御できるといういかなる保障もなく、また北朝鮮の攻撃が成功するという保障もない。どうなるかよく分からない状況」と話した。

 米国の民間軍事情報企業である「オールソースアナリシス」(All Souce Analysis)のジョセフ・ポミュデス先任アナリストも「北朝鮮のミサイル試験は、未来の衝突発生時に日本や韓国にある弾道ミサイル防御部隊を制圧するためのものという観測があったが、部分的には正しい」と明らかにした。彼は「射撃統制システムが準備されたという前提の下に、北朝鮮は同一地点から同時に少なくとも36発の弾道ミサイルを発射できる十分な数の移動式発射台を保有している」と話した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/785610.html 韓国語原文入力:2017-03-08 16:52
訳J.S(1252字)

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