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賠償金27万円を通知された韓国版「わたしは、ダニエル・ブレイク」運動

登録:2017-03-03 23:26 修正:2017-03-04 07:20
パク・ギョンソク全国障害者差別撤廃連帯共同代表が2月15日、社会保障委員会のある国民年金公団の建物外壁にスプレーで自分の名前を書いた後、社会保障基本法の改正を要求している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 「貴下は15日『わたしは、ダニエル・ブレイク。韓国福祉の現在だ』行事の過程でわが公団の建物外壁に毀損を加えました。原状回復費用を専門業者に依頼したところ、金271万7千ウォン(27万円)かかるという返信を受けました」

 先月28日、パク・ギョンソク全国障害者差別撤廃連帯(全障連)共同代表は、国民年金公団から先月15日、デモの過程で公団建物を毀損したことに対して271万ウォンの損害賠償を請求する公文書を受け取った。パク・ギョンソク代表は、社会保障委員会の建物の外壁に赤いスプレーで「わたしは、パク・ギョンソク。犬ではなく人間だ」と書いた。韓国版の「わたしは、ダニエル・ブレイク」宣言だった。

 昨年末に封切りした英国ケン・ローチ監督の映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」で、主人公は心臓疾患にかかり仕事ができなくなって疾病手当を申請する。しかし手当は支給されずあらゆる恥辱を受けることになる。彼は雇用センターの建物の壁にスプレーで「わたしは、ダニエル・ブレイク。飢え死にする前に疾病手当申立ての日付を決めろと要求する。馬鹿げた電話の待機音も変えろ!」と書く。

 パク代表は損害賠償請求は予想していたとし、ただ「障害者等級判定、活動補助サービス認定点数の判定など、障害者福祉の問題については自分の責任ではないかのように他者に転嫁する態度には驚いた」と話した。「公団に要求したことについては何の回答もなく、建物の毀損事実だけについて公文書を送って来るとは…」

 全障連はその日、国民年金公団に対して、障害者福祉サービスを拡大し中央政府と地方自治体間の協議・調整制度の改正を主な内容とする「社会保障基本法改正案」を成立させるべきだと主張した。2015年、政府社会保障委員会(委員長・首相)が「福祉財政効率化推進策」の一環で、全国の自治体に社会保障制度を全面的に再検討すべきだと要求して、一部の自治体の障害者活動補助サービスが中断・縮小された。国民年金公団は、損害賠償金を3月15日までに支払えと知らせてきた状態だ。完納しなければ訴訟など法的措置に入ると警告した。パク代表は「こうやってでも障害者たちの現実を伝えなければなりません。国家が作った制度、これを執行する機関によって、障害者がどれほど多く人間としての屈辱を味わっているか…」と話した。

コ・ハンソル(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/785026.html 韓国語原文入力:2017-03-03 18:28
訳M.C(1324字)

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