パク・ヨンス特別検察官チームが当初の方針を変更し、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する「起訴中止」処分をしないことにした。これは、検察が朴大統領に対する捜査に直ちに着手できる道を開けておくための措置だ。
特検チームの代弁人であるイ・ギュチョル特別検察官補は28日、定例ブリーフィングで「(検察が)すぐに捜査しなければならないケースが発生しうる」として「朴大統領を起訴中止せずに、被疑者として立件だけした後に検察に移行する」と明らかにした。起訴中止は所在不明などで捜査を終結できない場合、その理由が解消される時まで下す処分だ。この場合、検察が捜査に着手するためには、理由解消など再起の手続きが必要だ。特検チームの措置はこうした煩わしい状況を避けるためのものだ。被疑者としてのみ立件して渡す場合、検察は特別な手続きを経ずに直ちに捜査に着手できる。昨年12月、検察特別捜査本部が特検チームに朴大統領に対する捜査を渡す時も起訴中止の手続きをせずに被疑者としてのみ立件して移管した。
同じ事件を二つの機関がかわるがわる(従事)して生じる負担を減らすための性格もある。検察が起訴中止された事件を引き継げば、捜査のために他の機関がすでに処分したものを変更しなければならず、こうした煩わしさを避けられるようにするための選択ということだ。イ・ギュチョル特別検察官補は「起訴中止処分をする場合、処分したのは特検であり、解除の理由がある時に(捜査を)再開する機関は検察になる」として「こうした不自然な状況を避けるための意味もある」と話した。
これに先立って特検チームは23日、朴大統領に対して「時限付き起訴中止」処分をすると明らかにしたことがある。翌日に大統領府が「大統領は起訴対象ではないのに、起訴中止処分とは話にならない」と反発し、特検チームは「法的に何の問題もない」と反論したことがある。だが、法曹界では特検チームの起訴中止処分方針に対して「検察の捜査再開に不要な負担を与えかねない」という否定的見解が多かった。