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朴大統領の弾劾決定カウントダウン…2週間後の判決が有力

登録:2017-02-28 01:11 修正:2017-02-28 07:20
朴槿恵大統領弾劾審判最終弁論期日の27日午後、ソウル鍾路区齋洞にある憲法裁判所の大審判廷で、イ・ジョンミ憲法裁判所長権限代行が弾劾審判を主宰している=写真・共同取材団//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所が27日、最終弁論を終えて本格的な評議に着手したことで、朴大統領の弾劾の可否をめぐる決定がカウントダウンに入った。憲法裁所長の不在と朴大統領側の攻撃にもかかわらず、「公正と迅速」の間でバランスをとってきた8人の裁判官は、イ・ジョンミ裁判官が退任する3月13日までには、判決を下すものと見られる。

 憲法裁は昨年12月9日、国会が朴大統領弾劾審判を請求した後、毎日評議を開き、裁判の進行と争点整理などを議論してきた。最終弁論以降にも憲法裁は5万ページを超える検察調書などの証拠や25人の26回に及ぶ証人尋問、双方の弁論などを総合して弾劾審判の最終結論を出すための本格的な評議を、毎日続けていくものとみられる。評議は裁判の結論を下すために、裁判官らが合意して評決するすべての過程で、裁判官たちだけが参加し記録も残さない。

 憲法裁はこれまでの弁論の内容を基に、5つの弾劾訴追事由に対する事実関係を確定し、その事実関係が憲法と法律を違反したか否かを検討することになる。裁判官らが朴大統領が憲法と法律を違反したと判断すれば、大統領職を罷免するほどの「重大な法違反」なのか否かを集中的に検討する。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾審判の棄却決定文で、憲法裁は「大統領を罷免するほど重大な法違反は、大統領の法律違反行為が憲法守護の観点から重大な意味を持ったり、国民の信任に背いた場合」だと明らかにした。但し、全ての弾劾訴追事由が重大な法違反である必要はない。

 論議が十分深まると、裁判官たちは主審裁判官、任命の日付が遅い順で後任の裁判官から裁判長へと、弾劾かそれとも棄却かについて、それぞれ自分の意見を明らかにする「評決」を行う。他の事情がなければ、今回もこの順番で主審であるカン・イルウォン裁判官、チョ・ヨンホ、ソ・ギソク、アン・チャンホ、キム・チャンジョン、イ・ジンソン、キム・イス、イ・ジョンミ裁判官の順で進められる。弾劾審判が認容されるためには裁判官8人のうち6人以上の賛成が必要だ。

 評決以降、憲法裁は決定文の作成に着手する。弾劾審判の決定は、要件を備えておらず考えてみる必要もないという却下決定、要件はあるが重大な法違反はないという棄却決定、重大な法違反という罷免決定の中の一つだ。決定文は主審裁判官が多数意見の場合は主審裁判官が、(主審裁判官が)少数意見の場合は、多数意見の裁判官のうち1人が書く。憲法裁は、弁論の進行中に、決定文に盛り込まれる内容を準備していることが分かった。盧武鉉大統領弾劾審判後、憲法裁判所法が改正され、すべての裁判官は決定文に実名で自分の意見を明らかにしなければならない。

 裁判官たちは今後、“時間との戦い”を繰り広げなければならない。イ・ジョンミ裁判官は16日の弁論で「国家元首であり、行政府の首班である大統領の権限が停止されて、国政の空白とそれに伴う社会的混乱が続いている状況で、1年も2年もかけて裁判をするわけにはいかない」と明らかにした。さらに、1月31日のパク・ハンチョル憲裁所長の退任に続き、3月13日にイ・ジョンミ裁判官の退任も予定されている。憲法裁が判決を遅らせば、審判定足数をかろうじて満たす7人の裁判官が弾劾の可否を決定しなければならない。このため、パク・ハンチョル前憲法裁所長は最後に参加した1月25日の9回目の弁論で「裁判官1人がさらに不在になると、審判結果を歪曲させ、この事件の審理と判断に莫大な支障を与える可能性が非常に高い」と指摘した。

 盧武鉉大統領弾劾審判の際も2004年4月30日に最終弁論を行ってから2週後の5月14日に棄却を言い渡した。憲法裁は当時より弾劾訴追事由がはるかに複雑であるにもかかわらず、毎週2~3回ずつ弁論を開き、26回にわたる証人尋問を終えて、迅速な審理に向けた意志を示した。裁判官8人の意見がどのように分かれるのか、同じ意見でも細部の争点において意見の相違点が最後の要因となる。ただ、宣告の前に朴大統領が自ら辞任する余地も残っている。

 建国大学法学専門大学院のハン・サンヒ教授は「弁論過程で事実関係についての疑問はかなり解消されており、イ・ジョンミ裁判官の退任前の決定は難しくはなさそうだ」と話した。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/784428.html 韓国語原文入力:2017-02-27 19:45
訳H.J(2140字)

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