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韓国ウォンの対ドル為替レート、9カ月ぶりに1200ウォン突破…ドル高圧力持続

登録:2016-12-23 21:38 修正:2016-12-24 07:02
韓国ウォンの対ドル為替レートが9カ月ぶりに1200を突破して1203ウォンで取引を終えた23日午後、ソウル中区乙支路のKEBハナ銀行本店ディーリングルームで、あるディーラーが伸びをしている/聯合ニュース

 先週の米国金利引き上げ後にドル高が加速して、韓国ウォンの対ドル為替レートが9カ月ぶりに1200ウォン台に上がった。対外条件によるウォン貨切下げであるだけに、来年初め米新行政府がスタートするまでは、為替レートが高い水準に留まる可能性が大きい。

 23日、ソウル外国為替市場で韓国ウォンの対ドル為替レートは前日より3.9ウォン(0.33%)上がった(ウォン安)ドル高の1203ウォンで取り引きを終えた。終値基準で3月10日(1203.5ウォン)以来、9カ月ぶりの最高値だ。為替レートは米国連邦準備制度(連準・Fed)の金利決定を翌日に控えた14日から取引日基準で8日連続上昇した。該当期間の上昇分だけで36ウォンだ。15日(韓国基準)、連準は基準金利の引き上げと共に、来年には利上げ速度が速くなりえることを示唆した。米国の利上げ速度が速まるのはドル高要因だ。

 ドル高は、先月ドナルド・トランプが米国大統領に当選したことから始まった。トランプの経済政策が米国の経済成長を後押しするという期待と、物価上昇を喚起して連準の利上げを加速化するという予想のためにドルが韓国をはじめ来年の成長展望が不透明な他国の通貨に比べて強勢を見せた。トランプ当選の前日(11月8日)を基準とすれば、23日までに韓国ウォンの対ドル為替レートは6%も上がった。

 韓国ウォンの対ドル為替レートが1200ウォンを超えて、資金流出に対する韓国金融市場の不安も高まっている。現時点では目につく流出は現れていない。キウム証券のホン・チュンウク投資戦略チーム長は「外国人投資家は韓国ウォン貨劣勢状況で為替差損を憂慮すると同時に、韓国輸出企業の利益が増える可能性にも注目する必要がある。最近コスピ市場では、外国人の売り越しが小幅に見られたが、輸出株には買いが入ってきている。最近の為替レート上昇にもかかわらず外国人資金が大規模に離脱しない理由」だと分析した。

 だが、韓国ウォンと同調化傾向を見せる中国元貨の為替レートが、最近ドル当り7中国元近くに上昇していることを考慮すれば、来年初め、元貨劣勢を基点とする中国および新興国の金融市場不安の可能性を排除できない状態だ。

 実物経済の側面で見れば、為替レートの上昇は輸出企業にとっては好材料だ。 ただし、輸入物価も上昇するので、最近の鳥インフルエンザ(AI)などによる食料品物価上昇と韓国国内の政治的不確実性を考慮すれば、消費心理の萎縮につながりかねないという憂慮もある。

 来年の韓国経済成長率展望が次第に低下しており、韓国ウォンが自らの動力により切上げられる可能性が高くない中で、ドル高によるウォン安は当分続く可能性が高い。パク・ヒョンジュン大信証券マーケット戦略室長は「来年初めに就任するトランプが、どんな政策に主眼点を置くかによりドルの方向性が決定されるだろう。それまでは変動性が大きくなるだろう」とし「就任後に一層顕著に保護貿易を重視するならば、ドル高が緩和される可能性がある。だが、トランプがどんな政策を展開しようが、長期的にドルは強勢圧力を受けるだろう」と見込んだ。

キム・ヒョジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/775911.html 韓国語原文入力:2016-12-23 17:26
訳J.S(1487字)

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