本文に移動
全体  > 経済

国民年金、サムスン物産合併案件に賛成するため不審行動

登録:2016-11-20 23:41 修正:2016-11-21 10:29
民主社会のための弁護士会などの会員が昨年7月7日、ソウル、ノンヒョン洞の国民年金江南社屋前でサムスン物産と第一毛織の合併案件に反対議決権を行使するよう要求している=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 最近「朴槿恵(パク・クネ)・チェ・スンシルゲート」により、国民年金が昨年サムスン物産と第一毛織の合併に賛成した措置の正当性が再び疑惑を買っている。サムスングループがミル・Kスポーツ財団出資とチェ・スンシル氏の個人会社にも別途送金していた事実は、国民年金の賛成票を取り付けるためのロビーではないかということだ。大統領府とムン・ヒョンピョ前保健福祉部長官(現、国民年金公団理事長)が国民年金議決権行使専門委員に圧力性電話をした事実があらわれて疑惑は一層深まっている。

 20日、国民年金基金運用委員会の会議録と国民年金投資委員会の会議録を調べたところ、疑わしい部分が多く見つかった。当時、国民年金基金運用本部は慣行に反して独断的に合併案件に賛成して論議を産んだ。

 まず、国民年金基金運用本部は「専門委員会付議」という選択肢をなくし、サムスン物産合併案件が国民年金議決権行使専門委員会に付議される可能性を低くした。投資委の会議録によれば、以前は実務部署で賛成・反対・専門委付議を一次的に決めて投資委に上げていたが、サムスン物産合併案件は実務部署で決めずに投資委に賛成・反対・棄権を尋ねた。結局、国民年金基金運用本部の12名の委員で構成された投資委員会は、専門委付議という選択肢が無い状態で表決し8人が賛成票を投じた。

 ホン・ワンソン前基金運用本部長が、投資委開催の10日前である昨年7月1日に断行した人事も疑問を残す。当時の人事で、投資委員に自動的に入る代替投資室長がOチーム長に変わり、それまでの室長は異動して投票から排除された。この公団の関係者は「外部からスカウトしてきたチーム長を追い抜いてOチーム長が室長に抜擢されたことに内部では怪訝に感じていた」と話した。Oチーム長は合併案件に賛成した。また、投資委の委員12人のうち3人はホン前本部長が指名した人物だ。ホン前本部長は、チェ・クァン前国民年金公団理事長に報告もせずにサムスン電子のイ・ジェヨン副会長に秘密裏に会い、論議を産んだ。これに対して公団側は「定期人事だった」と説明した。

 さらにホン前本部長は基金運用委の会議で、サムスン物産の合併案件は議決権行使専門委で処理されるかのように明らかにした。昨年6月9日に開かれた基金運用委の会議録によれば、彼は国民年金の最高意志決定機構である基金運用委で、サムスン物産合併案件に対する検討の必要性が提起されると「議決権(行使)専門委が決定するならば、そこに最終決定権限がある。議決権行使指針を基金委が決定し、(専門委に)委任した」と明らかにした。議決権行使権限が基金運用委から委任を受けた議決権行使専門委にあると明らかにしたわけだが、彼は一カ月後に国民年金投資委を開き、該当案件を自主的に決めた。国民年金は不利な合併比率(第一毛織1:サムスン物産0.35)にもかかわらず、サムスン物産の合併案件に賛成し、大きな損失をこうむった。市民団体「私が作る福祉国家」は、合併比率により国民年金が被った損害額を、最小700億ウォン(1:0.41、ソウル高裁決定)から最高4900億ウォン(1:0.95、議決諮問機構ISS)と推定した。一方、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長など総帥一家は、第一毛織に有利な合併比率のおかげで合併サムスン物産の株式持分を増やし、サムスン電子をはじめ他の系列会社の頂点にあるサムスン物産に対する支配力を拡大できた。

 さらに国民年金の保有持分価値も合併後に現在基準で5900億ウォン減少した。財閥ドットコムは、国民年金が保有していたサムスン物産(11.61%)と第一毛織(5.04%)の持分価値が、合併前の昨年7月には2兆1050億ウォン(約1970億円)だったが、17日現在の合併サムスン物産(5.78%)の持分価値は1兆5186億ウォン(約1420億円)になり、5865億ウォン(約550億円)減ったとこの日明らかにした。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/771147.html 韓国語原文入力:2016-11-20 19:31
訳J.S(1791字)

関連記事