本文に移動

韓国警察、再びペク・ナムギ氏の解剖検査を試みたが撤収

登録:2016-10-26 01:25 修正:2016-10-26 07:12
故ペク・ナムギ氏の遺体の解剖検査令状(家宅捜索検証令状)執行の期限最終日の25日午後、鐘路警察署のホン・ワンソン署長が解剖令状を執行をするためソウル鍾路区ソウル大学病院の葬儀場に入っている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 故ペク・ナムギ氏の解剖検査令状の執行期間満了日である25日、警察は令状執行を試みたが、遺族と市民たちの抵抗で執行できなかった。警察は「令状の再申請を慎重に検討する」と明らかにし、遺族とペク・ナムギ闘争本部は「再申請を放棄せよ」と対抗した。

 鐘路(チョンノ)警察署のホン・ワンソン署長はこの日午後3時、千人あまりの警察官と共に令状執行のためにソウル鍾路区のソウル大学病院葬儀場を訪れたが、葬儀場前に集まった市民と対峙し、午後6時に引き返した。

 警察が引き返した後、ペク・ナムギ闘争本部は記者会見を開き、「朴槿恵(パク・クネ)政権の人倫に反した非道な解剖検査強行の試みが国民の力で阻止された」とし、「特別検事を実施して真実を究明し、責任者らを残らず処罰しなければならない」と主張した。ペク・ナムギ氏の娘のペク・トラジ氏は「今からでも父親を見送れるよう、解剖検査令状を再申請するな」と要求した。

 同日、葬式場前には警察の令状執行を防ぐために、民主労総と全国農民会総連盟の組合員と一般市民約500人が集まり「私がペク・ナムギだ」「朴槿恵政権退陣せよ」などのスローガンを叫んだ。共に民主党のパク・ジュミン議員や正義党のユン・ソハ、イ・ジョンミ議員なども市民の前で警察と対峙した。これに先立ち、カトリック神父と修道女、信者らは2時間毎に時局ミサを催し、ペク・ナムギ氏の永眠と民主主義の回復を祈った。

アン・ヨンチュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

以下はペク・ナムギ闘争本部の記者会見文。

<会見文>

朴槿恵政権の人倫に反した非道な解剖検査強行の試みが国民の力で阻止されました!

私たちはとうとう故人を守ってみせました!

国民の皆さん、ありがとうございます!

故人が亡くなった後、故人の死因を操作し、責任を回避しようとした朴槿恵政権の破廉恥な試みを国民の皆さんが阻止しました。

故人が亡くなった直後、押しかけた数千の警察力に対抗して、数百の市民たち、市民社会団体や大衆団体の活動家、野党の国会議員の方々が駆けつけ故人を守ってくれました。

数万におよぶ国民が安置所を訪問し、一カ月間ずっと安置所を守ってくれた方も、厳しい日常の中で黄金のような休み時間を割いて安置所を守ってくれた方も、ケータリングカーで来て一カ月間ずっといてくれた方もいました。時間がなく来られなかった多くの方々は、たくさんの寄付と支援物資を送ってくださいました。そしてその力で安置所が維持され、故人を守り抜くことができました。

国民とともに一晩中座りこみの場所に居続け、国民に真実を報道してくださった記者、プロデューサーの方々の努力も安置所を守る力となりました。

警察の妨害にもかかわらず、国民の力で全国に150カ所あまりの焼香所が設置され、数万の国民が訪れ、故人を追悼しました。

故人の死因を「病死」に操作しようとした試みは、多くの医者や医学生、記者、プロデューサーの方々が立ち上がり、阻止してくださいました。ペク・ソンハは孤立し、死亡診断書はソウル大学病院と医師協会からも排撃されました。

故人の死因を「第3の外部の力」に操作しようとした試みは、多くの医者や記者、プロデューサーの方々の努力で阻止され、当日の恐ろしい放水銃の実際の破壊力と故人が衝撃を受けた過程が検証され、死因に対する議論が終息しました。

農民ペク・ナムギ氏を守ったのは、闘争本部の力ではなく、国民の皆さんの力でした。

農民ペク・ナムギ氏が亡くなった9月25日から今日10月25日までの1カ月間、全ての国民は最も長い1カ月を送らなければなりませんでした。しかし、偽りが真実を勝てないように、不正な政権は国民に勝てませんでした。

国民の皆さん、本当に感謝しています。私たち皆でやり遂げました。

私たちが勝利しました!

もはや検察と警察は令状請求を放棄しなければなりません。

私たちは故人が亡くなった後、死因が明確であるため、あえて解剖をせずとも事件当時の映像と317日間の医務記録を通じて死因を解明できるという立場を明らかにしてきました。そしてこの1カ月間、韓国社会では故人の死因について、医務記録や事件当時の映像、合理と客観に基づく公的な議論が行われ、その結果「病死」、「第3の外部の力」などには根拠がないことが確認されました。故人の死因にこれ以上疑問はなく、解剖の必要性はないということが明確に証明されたのです。

解剖検査令状の再請求が、遺族にとっては「拷問」にも等しい、あまりにも残忍な仕打ちであることも考慮されるべきです。

これまで遺族は、故人を追悼する間もなく警察の解剖強行圧力に苦しめられ、葬儀場で実に1カ月以上も日常生活を送れないまま、苦痛を凌いでいます。このような状況で令状を再請求することは、また新たな倫理に反する行為であり、実に残忍な仕打ちではありませんか。

検察と警察は令状再請求の試みを中断すべきであり、令状が再請求された場合、裁判所はこれを棄却すべきです。

今必要なことは解剖ではなく、特別検事の推進と徹底した責任者の処罰です。

警察は、故人が亡くなるのに直接的な原因を与えた被疑者であり、彼らに捜査を任せることはできません。

今まで11カ月間、事実上調査を回避したまま解剖に即座に飛びついた検察にも任せることはできません。

特別検事を実施し、真実を究明して、責任者たちを残らず処罰しなければなりません。

国民の皆さん、最後まで故人を守り抜きましょう。責任者を処罰しましょう。

2016年10月25日

ペク・ナムギ闘争本部

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/767254.html 韓国語原文入力:2016-10-25 19:46
訳M.C(2653字)

関連記事