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ロッテ捜査、秘密資金や許認可疑惑に成果出せず

登録:2016-09-21 00:37 修正:2016-09-21 18:13
ロッテグループの辛東彬会長が20日、ソウル市瑞草洞のソウル中央地検で検察の調査を受ける前に記者団の質問に答えている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 ロッテグループのトップである辛東彬(シンドンビン、重光昭夫)会長が20日、検察に出頭し、ロッテグループに対する検察捜査が大詰めを迎えた。検察は約100日間にわたる捜査を通して辛会長を含むロッテオーナー一家5人の犯罪容疑を確認し、近々裁判に付す予定だが、関心を集めた秘密資金の造成疑惑や第2ロッテワールドの許認可に関連する疑惑については十分な成果を出せなかったものとみられる。

 韓国検察は6月10日、約240人の検事と捜査官などを動員し、ロッテグループ本社と系列会社、辛会長の自宅など17カ所を押収捜索した。ソウル中央地検特殊4部と先端犯罪捜査1部が捜査を担当した。当時、捜査チーム関係者は「系列会社間の資産取引の過程で秘密資金造成の疑惑があり、捜査に乗り出した。長い間準備したので可能な限り早く終わらせる」と話した。

ロッテグループオーナー一家の主な嫌疑//ハンギョレ新聞社

 成果も少なくはない。検察は国家を相手取ったロッテケミカルの訴訟詐欺疑惑や、辛格浩(シン・ギョクホ、重光武雄)総括会長と彼の3人目の妻であるソ・ミギョン氏などの数千億ウォン台の脱税疑惑を摘発した。辛会長をはじめ、辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)副会長、辛英子(シン・ヨンジャ)理事長ら、オーナー一家が登記理事に名前を載せたものの、ほとんど働かずに数百億ウォン台の報酬を受け取っていた状況も確認した。ロッテはオーナー一家5人が初めて法廷に立つことになる可能性が高まった。ロッテグループはこの日、公式な報道資料を通じて「心配をかけ申し訳ない。顧客と協力会社の被害防止のために最善を尽くしたい」と頭を下げた。

 しかし、検察捜査の中身がないという指摘も多い。何よりも捜査の核心目標に据えていた秘密資金の部分についての成果が不十分だ。検察は当初、ロッテグループ政策本部が各系列会社を通じて秘密資金を造成し、オーナー一家がこれをさまざまなロビー用途などに使ったものと見て捜査を進めた。捜査開始から一週間も経たずに、辛格浩総括会長と辛東彬会長が毎年300億ウォン(約27億円)の秘密資金を造成した状況が捉えられ、捜査の終盤にはロッテ建設が300億ウォン台の秘密資金を造成した疑いが確認された。しかし、検察は資金の性格の糾明や用途を確認するのに困難が生じたと伝えられた。オーナー一家と関連していることが確認された秘密資金は数億ウォンにすぎないという話も出ている。当初は「秘密資金の造成疑惑があり捜査に乗り出した」としていた検察関係者は、19日には「今回の捜査の性格は秘密資金捜査ではなく、経営不正に関する捜査」と言葉を変えた。

 特に第2ロッテワールド建設の許認可をめぐるロビー疑惑には、事実上手もつけなかった。2009年、李明博(イミョンバク)政権時代に許可が下りた第2ロッテワールドは、空軍の反対を押し切って飛行場の滑走路を移転して建設するなど、少なからぬ無理を強いた。李前大統領の大学の同窓でホテルロッテの総括社長を務めたチャン・ギョンジャク氏がロビーの窓口として名指しもされた。捜査の序盤に「第2ロッテワールドの許認可の疑惑も捜査対象となる可能性もある」と意志を表していた捜査チームは、第2ロッテワールドの建設を主導したロッテ物産に対する押収捜索もまともに行わないなど、事実上捜査を進めなかった。ある検察関係者は「捜査が予想したほどきちんと行われず、第2ロッテワールドの許認可疑惑を捜査する余力がなかったのだろう」と話した。

 検察はソ・ミギョン氏に対する捜査でも苦戦している。辛格浩総括会長から日本ロッテホールディングスの株式を贈与されながら税金をきちんと納めていなかった疑いが持たれているソ氏は、現在日本に滞在し、検察の韓国入国要求に応じていない。検察は、強制入国措置を準備するとともに、20日、国税庁と協議し国内にあるソ氏の全財産を差し押さえたと明らかにした。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/761910.html 韓国語原文入力:2016-09-20 21:55
 訳M.C

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