本文に移動

[ニュース分析]中国、韓国のTHAAD配備に「北朝鮮包容」で対抗か

登録:2016-07-25 08:30 修正:2016-07-25 08:33

26日にラオスでARF外相会議
南シナ海紛争・北朝鮮核問題など
北東アジア情勢に及ぼす影響に注目
北朝鮮のリ・ヨンホ外相が外交デビュー

ユン・ビョンセ外交長官が26日までラオス・ビエンチャンで開かれるアセアン地域フォーラム(ARF)をはじめとするアセアン関連の外相会議に出席するため、24日午後(現地時間)、ビエンチャン空港に到着した=ビエンチャン/連合ニュース

 24日午後2時頃(現地時間)、ラオス・ビエンチャンのワタイ国際空港に、北京を出発して昆明を経由した中国南方航空旅客機が着陸した。旅客機のドアが開かれると、中国の王毅外交部長が黒いスーツにノーネクタイで最初に降りて来た。待機していた韓日など各国取材陣数十人が取り囲み質問を浴びせた。「リ・ヨンホ北朝鮮外相と飛行機で同乗されましたか」、「一緒に乗って来ました。(ここに来るまで)お互いに安否を尋ねあいました」。王毅部長は笑顔で短く答え、記者団の質問に答えず貴賓ターミナルに向かった。王毅部長と1分あまり時差を置き、グレーのスーツを着た大きな体つきのリ・ヨンホ北朝鮮外相が飛行機から降りてきた。北朝鮮が参加する唯一の域内の多国間安保会議体であるアセアン地域安保フォーラム(ARF)に出席するために来た。第7回労働党大会(5月6~9日)直後に外相に任命され、多国間外交デビューの舞台となる。王毅部長より多い取材陣がリ外相一行を取り囲んだ。矢継ぎ早に質問が飛んだ。「中国との二国間会談の計画はありますか」、「ユン・ビョンセ韓国外交部長官に会う計画はありますか」、「(会議終了後の)28日までラオスに滞在されますが、どのような日程を予定されているのですか」、「感想でも一言お願いします」。

北朝鮮のリ・ヨンホ新外相がラオス・ビエンチャンで開かれるアセアン地域安保フォーラム(ARF)など国際会議に出席するため、24日午後(現地時間)、ビエンチャン空港に到着した=ビエンチャン/連合ニュース

 リ外相は何も語ろうとしなかった。外相就任前に6カ国協議首席代表として働いていた当時、達者な英語能力と柔軟な態度で「北朝鮮外交官らしくない」と評判だったリ外相は、沈黙するなか軽い笑顔で通した。リ外相の“沈黙”は、北朝鮮当局の公式見解を“宣伝”しなかったというだけで「否定的なメッセージ」とは見れない。リ外相は空港を出てラオス大統領宮殿に立ち寄った後、宿舎のドンチャンパレス・ホテルに向かった。ドンチャンパレスは中国代表団の宿泊先でもある。

 駐北朝鮮中国大使のリ外相の出国見送り(23日)→リ外相と王毅部長のラオス行き旅客機同乗→朝中代表団の同じホテル滞在につながった朝中代表団の異例な“同伴の動き”は注目に値する。朝中両国は昨年のアセアン地域安保フォーラムでは、冷え切った両国関係を反映するように、二国間外相会談をしていない。朝中両国は今年に入っても、北朝鮮の4回目の核実験などに対応した国連安全保障理事会の対北朝鮮決議2270号の採択など、国際社会の対北朝鮮制裁に中国が参加して対立してきた。

王毅中国外交部長がラオス・ビエンチャンで開かれるアセアン地域安保フォーラム(ARF)など国際会議に出席するため、24日午後(現地時間)、ビエンチャン空港に到着した=ビエンチャン/連合ニュース

 このような状況のなかでの北朝鮮と中国の異例な同伴の動きは、中国の「北朝鮮包容」と解釈される余地が十分にある。韓米政府の在韓米軍の「高高度防衛ミサイル」(THAAD)配備決定発表に中国政府が激しく反発してきたことを考えれば、中国政府の「無言の外交メッセージ」とも読み取れる。しかも、南シナ海問題、北朝鮮の核・ミサイル問題、THAAD配備問題などで北東アジア情勢が揺れ動くなかで、6カ国協議当事国の外相がすべて参加するアセアン地域安保フォーラム(26日)をはじめとするアセアン関連の外相会議は「外交戦争」の場であり、韓米両国政府のTHAAD配備決定発表後、対北朝鮮共助が緩むのか判断する試金石と呼ばれてきた。

 ユン・ビョンセ外交部長官は24日夜遅く、王毅部長と韓中外相会談を行ない、25日には韓米および韓日外相会談が予定されている。

ビエンチャン(ラオス)/イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-07-25 00:04

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/753700.html 訳Y.B

関連記事