政府が今週スタートする「日本軍慰安婦財団」発足式に「日本軍慰安婦」被害者ハルモニ(おばあさん)と個別接触して発足式を案内し、出席を促したことが確認された。この過程で「昼食接待」を口実に被害者を動員しているのではないかという疑惑が提起された。「和解・癒やし財団」という名前のこの民間財団は、昨年12月に韓日両政府が締結した「日本軍慰安婦」問題合意により設立される財団で、28日に発足するという。
韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)によれば、20日から22日の間に10人余の被害者ハルモニが外交部から正確な行事の目的や趣旨を告知されずに「来週水曜日に食事を提供するので出席してほしい」という要請を受けたり、あるいは女性家族部から「28日にお金が出てくるので受け取りに発足式に出席してください」などと言われていたことが分かった。挺対協に対して電話を受けた事実を知らせてきた一部の被害者は「具合が悪く出席できない。ただ通帳に振り込んでくれれば済むことではないか?」と尋ねたりもしたが、女性家族部関係者は「本人に来ていただく必要がある。具合が良くないのならお迎えに行く」と話したと挺対協は主張した。
これに対して女性家族部は「発足式を案内し、参加を促す過程で内容が誤って伝わったようだ。出席しなければお金を与えないというような話は絶対にしていない」と明らかにした。また外交部は「財団設立前にハルモニたちに財団設立の趣旨などを説明差し上げる席を用意しようと考えたが、多くのハルモニが露出を敬遠するので、非公開で昼食会を行おうとしただけ」と話した。
挺対協のリュ・ジヒョン幹事は「(ハルモニたちが)話を伝える過程で表現が一部変わったことはありうるが、同じような内容が複数のハルモニから聞こえてくる以上、単純な歪曲伝達とは見られない」と話した。挺対協のユン・ミヒャン代表は「(発足式に出てこなければお金を与えないという)そういう話は全くしていないと言うが、それではハルモニがなぜ『通帳に振り込めば済むことではないか』という話をされたのか」と疑問を提起した。
被害者支援団体は今回の事態が「政府の言葉が誤って伝わったかどうか」ではなく、被害当事者が望まない方式で和解を強要する政府の一方的なやり方が問題の本質だと指摘した。