中国が東シナ海に続き、南シナ海でも自国の防空識別区域を宣言する計画があることが分かった。領有権争いが起きている周辺国との軋轢はもちろん、軍事的緊張の高まりは避けられないものと見られる。
香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは1日、中国人民解放軍と近い消息筋を引用し、中国が南シナ海に防空識別区域を宣言する時期は、米軍の配置や周辺国と米国の外交関係など、この地域の安全保障状況にかかっていると報じた。中国軍の消息筋は「もし米軍が南シナ海で中国の主権に挑戦する挑発を続けるなら、中国に防空識別区域を宣言する絶好の機会を与えることになるだろう」と語った。
中国の軍当局は同紙に送った書面回答で「防空識別区域宣言は、主権国家の権利」としたうえで、「宣言の時期は、中国が領空で脅威を受け、その脅威の程度にかかっている」と明らかにした。
防空識別区域とは、自国の領空に接近する軍用航空機を事前に識別するために、任意で設定する安全保障区域のことをいう。国際法で認められている領空ではないが、その区域に入る軍用機はその国に事前に飛行計画を通知するのが慣例とされている。
これと関連し、カナダに本部を置くアジアの安全保障専門紙「漢和ディフェンスレビュー」は最近、中国は南シナ海の防空識別区域範囲を(すでに)決めており、宣言の時期は政治的な決定になるだろうと報じた。
南シナ海における中国の防空識別区域は、パラセル諸島(中国名、西沙諸島)、ウッディー島(中国名、永興島)、スプラトリー諸島(中国名、南沙諸島)などからなる7つの人工島の排他的経済水域(EEZ)、またはこれらの島の周りの200海里に基づく可能性が高い。 漢和ディフェンスレビューのアンドレイ・チャン編集長は「中国の新しい防空識別区域はベトナムやフィリピン、マレーシアの排他的経済水域と重なるだけでなく、これらの国が米国の支援で宣言する防空識別区域とも重なるものになるだろう」と予想した。
南シナ海の安全保障をめぐる対立は、今月3日から3日間の日程でシンガポールで開かれる「2016アジア安保会議」(シャングリラ対話)でも、最大の懸案になる見込みだ。今回の会議には、アシュトン・カーター米国防長官と孫建国・中国人民解放軍副参謀長など、周辺国の最高位級安保担当者が多数参加する予定だ。
韓国語原文入力:2016-06-01 20:24