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[ニュース分析]オバマ大統領広島訪問の意味

登録:2016-05-27 23:32 修正:2016-05-28 07:17
26日、主要7カ国首脳会議に出席した各国首脳が初の行事が開かれた日本の三重県伊勢志摩にある伊勢神宮境内を一緒に歩いている=伊勢志摩/AFP連合ニュース

参謀の慰留を受け入れず訪問強行
「危険な遺産なくそう」との意志
在任中、北朝鮮の核は事実上放置
「ビジョン」に合わない行動も

 米国のバラク・オバマ大統領の歴史的な広島訪問は、2009年のヨーロッパ歴訪中にチェコのプラハで主張した「核なき世界」のビジョンに直結する。だが、オバマ大統領は自国の核兵器は現代化させる矛盾した行動を見せ、北朝鮮の核の状況はむしろ悪化するなど、限界を見せたとも指摘される。

 ホワイトハウス国家安保会議(NSC)のベン・ローズ副補佐官は、オバマ大統領の広島訪問の背景を「米国は核兵器を使用した唯一の国家として、核兵器のない世界を作る責任がある」と説明している。オバマ大統領も最近、日本のNHK放送とのインタビューで「(広島を訪問した場で)戦争の悲惨さ、『核兵器のない世界』の必要性について話すつもりだ」と明らかにしていた。これはオバマ大統領が2009年4月にプラハで「核兵器を使用したことがある唯一の国として、米国は道徳的責任を感じる。冷戦時代の最も危険な遺産をなくそう」と核兵器のない世界を唱えたことと完全につながっている。

 今回の広島訪問の決定過程でも、オバマ大統領は参戦軍人や保守層の反発、大統領選挙局面での争点化憂慮、戦争中の原爆投下に対する「謝罪」と映る可能性があるため「国内政治で得にならない」とする参謀の引き止めにもかかわらず強行することを決めたと伝えられている。それだけオバマ大統領の意志が強かったことになる。2009年にノーベル平和賞を「先払い」で受賞したオバマ大統領は、昨年、イランとの核交渉妥結により核兵器非拡散の歴史に貢献したし、合意がほとんど失敗に終わる状況に至ったものの、2010年にはロシアと戦略核弾頭をそれぞれ1550発まで縮小する「新戦略兵器縮小協定」も締結した。テロ団体や非国家集団の核物質搬入と移転を遮断するための核安保首脳会議も、2010年のワシントンを始め隔年で4回にわたり開催した。

 その一方で、オバマ大統領が彼の「核なき世界」ビジョンと矛盾した態度を見せたとか、北朝鮮の核問題解決に消極的だったという批判もある。最近、米紙ニューヨークタイムズは社説を通じ「オバマ大統領が米国の核兵器現代化のために今後30年間に1兆ドルの支援を決めたことほど、彼の(核なき世界)ビジョンに合致しないことはない」と指摘した。また、彼の在任期間中に北朝鮮が3度も核実験を実施するなどして核能力の増強を追求してきたが、圧迫一辺倒の「戦略的忍耐」という名で、これを事実上放置してきたという批判も避けられない。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/745781.html 韓国語原文入力:2016-05-27 19:22
訳J.S(1274字)

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