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[インタビュー]北朝鮮レストラン責任者「脱北は初めから韓国政府が介入」

登録:2016-04-14 00:41 修正:2016-04-14 07:32
北朝鮮の従業員13人が集団脱出したと推定される中国浙江省寧波の北朝鮮式レストラン「柳京」レストラン =寧波/連合ニュース

先に脱出を図った女性従業員3人は戻ったが
彼女たちを探しに行った13人の韓国行きは
全て仕組まれたこと

 中国にある北朝鮮レストラン従業員13人の「集団脱北」の過程に初めから韓国政府が介入していたのは明らかだと、このレストランの中国人経営責任者が話した。 この主張は北朝鮮の従業員が長い時間の協議を経て「自力で」脱北したという韓国政府の発表とは大きく異なり、注目される。

 中国浙江省寧波の北朝鮮式レストラン「柳京」の中国人経営責任者○氏は13日、ハンギョレの電話取材に「脱出過程は100%誰かの助けを得たと思う」として「当然、韓国側」と話した。 彼は女性従業員3人が先に脱出を試みたがレストランに戻って来たし、彼女たちを探すと言って出て行った13人が韓国に行ったという事実を確認したので、「こうしたことは全てあらかじめ準備されていたことが明らかだ」と付け加えた。

 ○氏は今回の脱北を主導した人物と関連して、北朝鮮女性従業員のパスポートまで管理し「支配人」(経理)と呼ばれたH氏(36)を名指し、「明らかだ」、「確実だ」と繰り返し話した。 さらにH氏が自身をはじめとして経営陣のお金を持ち去ったとし、その金額は120万~130万中国元(約2千~2千200万円)程度と話した。 彼はH氏には金銭問題があったとし「明らかではないが(個人的に借金が)あったのだろう」と話した。 ○氏は脱出した女性従業員が韓国への入国を希望したと見るかとの質問に、「はっきりとは言えない。彼女たち(従業員)は私たちとあまり話をしない」として「時間が経って(中国)当局の処理(調査)結果が出れば話せるだろう」と答えた。

 「脱北」せずに残った従業員7人の行方について○氏は「朝鮮(北朝鮮)大使館の人々と一緒に寧波にいる」として「2日程度で(北朝鮮に)戻るだろう」と話した。 ただし「(従業員は)携帯電話がなく連絡がつかず、(「安全員」または「副支配人」と言われた)男も大使館側と一緒にいるためか連絡できない」と伝えた。

 残った女性従業員の中にH氏の夫人はいたかという質問に、彼は「H氏の夫人は食堂で仕事をしていたが、昨年(北朝鮮に)戻った」として「ここ(寧波)で“夫人”と呼ばれていたのはH氏とちょっと関係が良かった従業員」と話した。 H氏は結婚1年半の夫人を残して韓国に“脱出”したと言われていたことがある。

 以下は中国人経営責任者○氏との電話取材の主要内容。

-今日は時間は大丈夫か?

「ちょっと時間が経ってから話そう」

-北朝鮮の官房(政府)は「事情を全て掌握した」と言っている。

「その人たち(従業員)はまだここにいるじゃないか」

-(脱北せずに)残った人たちは北朝鮮側と一緒にいるのか?

「そうだ」

-韓国に行った人たちは望んで行ったのか、違うのか。

「何と答えれば良いだろうか、はっきりとは言えない」

-残った人たちは寧波にいるのか?

「寧波にいる」

-レストランは開けるのか?

「どうして開けるのか」

-昨日(中国人)従業員は月給をもらえるか配していたが。

「月給は支払う。 だが、仕事の処理がちょっとあって」

-H経理(支配人)が(脱北を)主導したのか?

「それは明らかだ。 確実だ」

-金銭問題があったのか?

「あった」

-あなた方のお金を持ち去った?

「そうだ」

-150万中国元?

「そこまではない」

-100万中国元以上?

「そうだ」

-120万~130万中国元?

「だいたいその程度だ」

-賭博問題があったか?

「ない」

-借金が少しあったか?

「明らかではないが、あったのだろう」

-何の借金だろうか?

「確実でない。 あなた方はすごい。 私の連絡先も知っているとは…」

-5日に出て行く時、誰が助けたのか?

「100%助けを得たと思う。当然韓国側だ」

-3人は出て行ったが帰ってきた?

「その子たちは(韓国には)行かないと言って戻って来た」

-探しに行った13人が韓国に行ってしまったんだろう?

「そうだ。 全てあらかじめ準備されていたんだ」

-H経理の夫人は残っているって?

「夫人は朝鮮(北朝鮮)にいる。 昨年戻った」

-柳京で働いていたわけではないのか?

「そうだ。 ここで夫人と呼ばれていた子はH経理とちょっと関係が良かった従業員だ」

-残った人たちは北朝鮮側の人々と一緒にいるのか?

「そうだ。(どこにいるかは)私たちもよく知らない」

-韓国側の人と一緒にいるのではないのか?

「朝鮮(北朝鮮)側と一緒にいる」

-まだ寧波にいるか?

「そうだ。 寧波にいて、2日もすれば(朝鮮に)戻るだろう」

-韓国に行った従業員たちは「韓国に行きたかった」と言っている。

「はっきりしない。 私たちの仕事というのは。 その子たち(北朝鮮従業員)は私たちとは話すことはない」

-(寧波に)残った従業員たちと連絡したか?

「連絡できない。 携帯電話も持っていない」

-副経理は?

「彼は(北朝鮮)大使館の人と一緒にいる。 どうして連絡できるんだ」

「時間がちょっと経って、朝鮮(北朝鮮)の人たちが戻って、処理結果が出てくれば具体的に話せるだろう。 私たちも(中国)政府の処理を待っている。 今は話せないことが多い」

-従業員たちはなぜ韓国に行ったのか?

「断定するにはまだ早い。 騒ぎがちょっと収まれば話そう。 内部事情がとても多い。 あなたが寧波にいてみても知り得ないことだ。 私たち2人か3人以外は知らないことだ」

-あなたがH経理と激しく争ったという話もあったようだが?

「それは違う。 ただ今回の状況のために幾つか話をしただけだ。 それはまだ明らかではない。 どうしてそんなことまで知っているんだ」

-H経理との関係は良かったか?

「ずっととても良かった。 彼は寧波で私と一番仲が良い人の一人だ」

-12人はなぜ一緒に行ったのだろうか?

「レストランのことがうまくいったら(後で)話しましょう」

寧波/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/739521.html 韓国語原文入力:2016-04-13 17:00
訳J.S(2752字)

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