準備期間のシナリオ別に分析
経済協力活性化が統一費用最も少ない
南北が今のような膠着状態を続け、極めて限定的なレベルの交流協力だけを進めていると、経済協力を全面的に行う場合に比べ、統一費用を2500兆ウォン(約258兆円)さらに負担しなければならないという研究結果が発表された。
11日、国会予算政策処が発刊した報告書「南北交流協力レベルに応じた統一費用と示唆点」によると、南北が2026年に平和統一を成し遂げるという仮定のもと、2016〜2025年の10年間、南北経済協力のレベルに応じて異なるシナリオを設定し、2026年の統一以降、北朝鮮の所得変化と統一費用をそれぞれ計算した。統一準備10年間、南北経済協力のシナリオは、(1)現在のように限定的な交流協力だけで、膠着状態を維持(2)食糧、医療、農業開発支援など、積極的意味の人道支援を拡大(3)人道支援に加えて、社会間接資本への投資(道路、鉄道、北朝鮮経済特区の開発に参加、開城工業団地の拡大)などの経済的投資の活性化の三つだ。統一費用は、現在韓国の5%レベルである北朝鮮の1人当たり所得が3分の2程度まで高まり、2012年基準、韓国における地域間の所得格差のレベル(68.2%)に達するまでにかかる費用として推定した。
分析の結果、2026年統一以降、北朝鮮の1人当たりの所得が韓国の3分の2レベルに高まる時点と統一費用は、シナリオ(1)の場合、2076年(50年かかる)と4822兆ウォン(約497兆6000億円)、シナリオ(2)は2065年(39年かかる)と3100兆ウォン(約319兆9000億円)、シナリオ(3)は2060年(34年かかる)と2316兆ウォン(約239兆円)とそれぞれ推定された。結局、韓国が北朝鮮に対する経済協力を活性化する場合、北朝鮮の所得水準が最も急速に増加し、統一費用も現状(対峙状態)を維持した場合に比べて、2500兆ウォン程度減少するということだ。
ヨン・フンス国会予算政策処の経済政策分析課長は「(朴槿恵<パク・クネ>政権の統一大当たり論以降)これまで様々な機関が統一費用を推定したが、そのほとんどがすぐに統一が行われると前提し、一定時点まで統一費用を計算する方式を採用していたため、現実性が低かった」とし「今回の分析は、適正な統一時点(2026年)を想定し、10年の統一準備期間中に、韓国の対北朝鮮経済協力シナリオ別に、北朝鮮の所得水準の変化と統一費用を比較分析する新しい方法を用いた」と説明した。統一費用は、今後統一予想時点まで、韓国がどのような対北朝鮮政策を選択し、それによって北朝鮮の経済レベルがどのように変わっていくかに左右されることから、今回の分析は、従来の方式に比べて、現実性と正確性の面で一歩前進したものと思われる。
同報告書は、統一費用が最も少なくないシナリオ(3)(経済投資活性化)を実現するためには、現在の政治軍事的な緊張緩和が先決条件だと指摘した。また、中長期的に北朝鮮地域の所得水準を向上させ、統一過程における財政負担を減らすためには、北朝鮮地域の生産性向上が重要であると強調した。
韓国語原文入力:2015-12-11 22:12